東福寺の邂逅と『朝日新聞』の軽薄――石平・百田対談より。
東福寺の紅葉の最盛日に石平氏と偶然出会った記憶から始まり、月刊WiLL掲載の対談を通じて、韓国政治と民主主義理解をめぐる『朝日新聞』の姿勢を批判的に検証する。
2017-04-18
昨年11月16日、東福寺の紅葉が見頃になった日、東福寺で石平さんとバッタリ出会ったことは既述のとおり。
月刊誌WiLL5月号には石平さんが参加している対談記事が二つ掲載されている。
以下は、その中からである。
元SEALsを持ち上げる『朝日新聞』の軽薄。
石平、評論家、百田尚樹、作家。
『朝日新聞』の愚。
居島。
前韓国大統領・朴槿惠氏の罷免裁決をした憲法裁判所の李貞美所長代行が、六年間の任務を終えて退官しました。
百田。
韓国の状況を見ていると、民主主義の根幹である三権分立が成立していません。
司法・行政・立法、それぞれが独立しなければならないのですが、もうグチャグチャです。
何で決まるかといったら、「民衆の感情」によってすべてが決まってしまう。
石平。
民衆が感情で憲裁を動かして、「朴槿惠さんの罷免」という判決を出させたわけですね。
元SEALsの若者が韓国に行き、「韓国は羨ましい。民衆の力で政治を変えた。どうして日本ではできないんだろう」と朝日新聞に語っていましたが、そんな政治の動かし方はダメです。
百田。
そのエピソードを朝日新聞は喜んで書いています。
石平。
朝日新聞は何を見ているのか。
軽薄以外の何物でもありません。
李貞美裁判官は離任に際して次のように述べています。
「統治の危機と社会の対立は、民主主義や法治主義、人権保障という憲法価値を強固にする過程での産みの苦しみだ。」
韓国では民主主義・法治主義が確立されていない、まだ産みの苦しみの中にあると認めている。
これを読めば、朝日新聞の元SEALsの話がどれほど馬鹿馬鹿しいかが分かる。
韓国の裁判官ですら、民主主義が機能していないことを理解している。
朝日新聞は戦後民主主義を高らかに主張している。
しかし、民主主義がどういうものか全く理解していない。
百田。
2015年の天声人語で、評論家の柄谷行人氏が「人々が主権者である社会は、選挙によってではなく、デモによってもたらされる」と述べたことを非常に肯定的に紹介しました。
これは民主主義の否定であり、さらに言えばテロリズムの容認です。
石平。
朝日新聞や元SEALsたちの考え方の根本には共産主義革命思想があります。
民主主義を本気で大事にしていない。
革命を起こして今の体制を潰したいのです。
百田。
選挙を否定するのは新聞社として絶対に言ってはいけない。
それを天声人語で言ってしまった。
朝日新聞は馬脚をあらわしたと言えます。
この稿続く。