中国共産党は戦前から日本をスパイ天国にしていた

1928年、すでに日本国内には中国共産党日本特別支部が設立され、大学、言論界、労働界、さらには軍部や満鉄関係者にまで工作が及んでいた。戦後から始まったという通説を完全に否定する、衝撃的な史料と事実を明らかにする論考。

2017-04-20
大学、言論界、労働界、そして軍部や満鉄関係者に対しても工作を仕掛けていたわけだ。
以下は前章の続きである。
こうした風潮の中で昭和3(1928)年、中国共産党の指令にもとづき、中国共産党日本特別支部が新設される。
昭和3年の段階で、日本に中国共産党の支部が成立されていたのだ。
中国の対日工作が戦後始まったと思っている人は多いが、それはとんでもない勘違いだ。
特別支部の下には、東京支部の中に「明治大学支部」「東亜予備校支部」「成城学校支部」「東京連合支部」「大岡山支部」「牛込支部」など6つの支部が、地方には「横浜支部」「神戸支部」「長崎支部」「仙台支部」-これらは全て華僑のいるところだが-など5つで計11の支部が設けられた。
党員のほとんどは、各大学にいる中国人留学生だった。
内務省の極秘資料「中国共産党日本特別支部検挙事件」によれば、この特別支部が掲げたスローガンは、中国共産党の方針をそのまま踏襲しており、次のようなものであった。
(『特高警察関係資料集成 第一五巻』不二出版)。
《一、打倒日本帝国主義 一、打倒中国国民党 一、対支非干渉 一、全世界植民地の開放 一、一切地主の土地没収 一、ソヴィエト政権の確立 一、ソヴィエト革命の準備 一、帝国主義戦争反対 一、全労苦民衆の武装暴動の準備 一、世界革命の達成》
要は、皇室を戴く日本政府と蒋介石率いる中国国民党政府を打倒し、中国の地主たちから全財産を奪って中国大陸に中国共産党政権を樹立することが世界の平和につながる、という考え方だ。
このスローガンのもとで、中国共産党特別支部に所属する留学生たちは、同じ在日中国人留学生を中国共産党の活動に引き込むだけでなく、日本共産党や日本の労働組合との連携を強化していった。
しかもその工作は、日本の軍部や満鉄なども対象にしていた。
内務省の極秘資料によれば、中国共産党は次のような方針を打ち出していた。
《日本共産党との連絡を鞏固にし、これを共同一致して日本の中国出兵干渉に反対し、駐支日本軍隊の工作を破壊し、日本兵士を煽動して転じて中国革命を援助させること。同時に実際弁法を決宣して中国境内の日本企業(例えば満鉄のようなもの)の労働運動の推進に協力すること》
この方針に基づいて中国共産党日本特別支部に所属する中国共産党員たちは、日本共産党と連携しながら、大学、言論界、労働界、そして軍部や満鉄関係者に対しても工作を仕掛けていたわけだ。
ところが当時の日本政府は、日本共産党の活動を懸命に取り締まったが、中国人留学生たちの動きについては、さほど監視していなかった。
国防動員法という法律に基づいて中国共産党政府の指揮下に置かれている中国人留学生の動向をチェックしていない現在の日本と全く同じだ。
中国共産党にとって日本は昔からスパイ天国であったのだ。
この稿続く。

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