対照的に、中国は米国に貿易黒字を証券投資で還流させない。昨年は年間3500億ドルの黒字に加えて1300億ドルの証券を売却している。日本は米金融市場のいかりであり、中国は機雷も同然だ。
米国の貿易赤字と証券投資の資金循環を分析すれば、日本と中国の決定的な違いは明白だ。日本は対米貿易黒字を上回る資金を米証券市場に還流させ、米金融市場の「いかり」となっている一方、中国は黒字を還流させず市場を不安定化させている。この現実を踏まえた日米経済対話の重要性を指摘する。2017-04-23
以下は前章の続きである。
トランプ政権が中国を偏重するのは米経済にとって不合理である。
グラフは米国のモノの貿易赤字と海外からの米国債など証券購入を合算した資金流出入である。
世界最大の債務国米国は外部からの資金流入に依存する。
貿易赤字は大きくても、相手国がその分を対米証券投資で還流させれば、米金融市場は安定する。
一目瞭然、日本は対米貿易黒字分を上回る資金を米証券市場につぎ込んでいる。
対照的に、中国は米国に貿易黒字を証券投資で還流させない。
昨年は年間3500億ドルの黒字に加えて1300億ドルの証券を売却している。
日本は米金融市場のいかりであり、中国は機雷も同然だ。
経済対話の日本側代表、麻生太郎副総理兼財務相はしっかりと米側にクギを刺すべきだ。