誰が操縦され、日本の国力低下を進めているのか――反原発論の国家戦略的帰結
核のゴミを理由にした反原発論が国際的に正しいなら、韓国・中国の原発急増を止める行動が不可欠だ。しかし現実は逆で、日本の原発停止と反比例して両国は増設を決定した。本稿は、日本の原子力産業弱体化と技術流出が、競合国の国家戦略に合致している点を指摘し、「誰がその戦略に操縦されているのか」を問いかける。
2016-03-14
奈良林さんの論文を紹介する前に、書かなければならない事がある。
朝日新聞が主唱して来た原発絶対反対に同調している人間たちが、その根拠として上げる大きな要因は、核のゴミについてである。
私が、この論説を初めて目にしたのは、テレビ朝日の「報道ステーション」の司会者である古館が、フィンランドに行ってレポートした映像だ。
さてこの論点が国際社会においても絶対的に正しい論点だとするならば、
彼等が全力を挙げて成すべきことは明白である。
韓国は一気に原発を大増発する。それも日本海に面した場所にである。
中国は更に多くの原発を大増発する。
朝日新聞などは、彼等の大好きな国連に、即刻出向いて、彼らの大増発を禁止させる大キャンペーンを張らなければならないのである。
でなければ彼らの論理は全く正当性を持たない。意味がないのである。
さて、菅直人政権が原発を全面停止したのに反比例して、韓国と中国は、原発の大増発を一気に政府決定した。
私はこの経緯にとても怪しさを感じる。
中国と韓国が原発の技術において、日本よりはだいぶ劣っている事は衆知の事実である。
原発の全面停止は日本の原子力産業の弱体化につながる事は自明だろう。現に原子力科に進む学生の数は大幅に減っているはずだ。
原子力産業の弱体化は、かつての電機メーカー群と同様に、日本が世界に誇る技術者たちが、原発大増発を決定している韓国や中国に流失する事に直結しているのである。
世界最優秀である日本の原子力産業を衰退させて、自分たちは、原子力産業の育成を図り、一気に日本の国力を低下させ、自分たちが優位に立つ、それが彼らの国家戦略であると私は確信する。
ならば、彼等の国家戦略に操縦され、彼等の思い通りに日本の弱体化を図り、日本の国力の低下を計っているのは誰か。日本国と日本国民は、よく考えた方が良いのだ。