京都、静けさの中で — 写真と音楽が出会った瞬間たち
私は長い年月、京都の花鳥風月を撮り続けてきた。
晴天の日もあれば、曇り空や雪の日もある。
だが、私が撮るのは「条件」ではない。
心が動いた瞬間、その一点だけである。
近年、私は写真に音楽を重ねるようになった。
それは演出ではなく、
風景と音が、同じ速度で流れたときにだけ生まれる、
ごく自然な重なりである。
本稿では、
これまでYouTubeで発表してきた作品の中から、
表現を見直し、言葉を削ぎ落とし、
「静けさ」が最も正直に伝わるかたちに整えた
いくつかの作品をまとめて紹介する。
これらは、主張ではない。
説明でもない。
京都という場所で、
写真と音楽が偶然出会った記録である。
世界のどこかで、
同じ静けさを大切にしている人の心に、
この記録がそっと届くことを願っている。