極端な例で不安を煽る幼稚な発言
原発を巡る議論で、実態や技術的前提を無視した極端な仮定を持ち出し、不安を煽る発言の幼稚さを指摘する。現行の世界最高水準の安全規制と多重防護の実態を踏まえ、冷静な議論の必要性を論じる章。
2016-03-16
極端な例を持ち出して不安を煽る。
発言があまりにも幼稚すぎます。
以下は前章の続きである。
発言があまりに幼稚。
《「原発は安全、安い、クリーン」って、推進の三大スローガンが、全部ウソだというのがわかってきた》と言いますが、現在、世界一厳しい規制基準の下で安全性を高める施策が、全国各地の原発で取られていることを小泉さんはどこまでご存知なのか。
防潮堤の建設、水密トビラの設置、竜巻、火山対策など、深層防護の観点から二重、三重、四重の対策が講じられ、資機材・予備部品の準備や運転員の訓練などについても、規制基準に盛り込まれています。
《原発は環境汚染産業。クリーンじゃ全然ない》とも言いますが、原発にフィルターベントの設置を義務付け、放射性物質を外部に放出しない対策も取られます。
沸騰水型の原子炉では再稼働の条件として、加圧水型では5年以内の設置が義務化されました。
《もし日本を混乱させようと思ったら、原発爆破してメルトダウンを起こせば、日本人が放射能を浴びてがん患者がすごく出る。
もう駄目。
こんな脆弱な国はないよ。
日本人に向けた核兵器を日本が持っているのと同じことになる。
核燃料を貯めているところだって、やられたらおしまい。
米軍基地なんか叩く必要ないよ》
《原発爆破》をどうやるのか、逆に小泉さんに教えていただきたい。
格納容器を守るコンクリートは厚く、航空機テロにも耐えうる強度を誇り、またそれに耐える地下要塞の設計と建設も始まっています。
よく「北朝鮮が原発を狙ってミサイルを撃ち込んだらどうするんだ」という極端な話をして不安を煽る人がいますが、それと同類で、ここでも譬えが無茶苦茶です。
北朝鮮から発射されたミサイルが、ピンポイントで原発に当たるでしょうか。
巡航ミサイルを保持しておらず、不可能です。
それより、大都市の上空で北朝鮮による核爆弾が爆発する危険性のほうが高いのではないか。
極端な例を持ち出して不安を煽る。
発言があまりにも幼稚すぎます。
この稿続く。