「三菱重工の将来は暗い」と書き捨てるメディアの病理— 日本企業を貶め続ける報道の正体 —
朝日新聞をはじめとする日本メディアは、三菱重工やトヨタといった日本を代表する企業に対し、根拠薄弱な悲観論や中傷的報道を繰り返してきた。本稿は、その構造的問題と新聞倫理の崩壊を、高山正之の証言を通して明らかにする。
2017-05-07
以下は前章の続きである。
若い人たちにメディア改革を期待。
馬渕。
しかし、やっていることは真逆で、むしろ足を引っ張るような報道ばかりしています。
「三菱重工もあれが重荷になって将来が暗い」とか、そういうことを書いたり言ったりしているわけです。
高山。
それが信じられないですね。
私が一番そう思ったのは、トヨタのレクサスの急加速事故が大騒ぎになったときです。
アメリカ合衆国運輸長官(当時)のラフードが「トヨタに乗るな」と言った。
とんでもない発言でしたが、それに対する朝日新聞の反応です。
あのときの朝日新聞の主筆は船橋洋一で、彼は「米国ではトヨタはいまや欠陥商品の代名詞になった」と書いていました。
それに夕刊1面の短いコラム「素粒子」も普段は1つのフレーズが4、5行程度なのに、「トヨタの車を買ってしまって大損をした」とか「どうしてくれるんだ」とか14行も書いた。
天声人語も同じようにトヨタ欠陥車を言い募った。
しかし、アメリカがどう調べてもレクサスに問題はなかった。
それじゃ困るから、ラフードはNASAに持ち込んで、何としてでも欠陥を見つけようとした。
それでまったく欠陥がないことがわかったんですね。
事実が判明して、ラフードが何と言ったかというと、「娘にトヨタ車は安全だと薦め、実際に買った」と言って、まあ、事実上の謝罪と反省のポーズはとった。
で、朝日新聞はというと、主筆以下があれだけトヨタを貶めた書き方をしておいて、お詫びも訂正もない。
アメリカの尻馬に乗って日本製品を罵倒しておいて、間違いだったとわかったら素知らぬ顔をしている。
私は朝日を読むと、同じ新聞記者として理解に苦しみます。
こんなのが新聞であるはずがないと思いますし、そろそろ朝日の連中も反省をしないといけないでしょうね。
長谷川煕や永栄潔あたりは、いいことを言い始めたけれども、朝日を辞めてから言うなよ、なかにいたときに改めろよと言いたくなりますね。
でも、まあ悪い傾向ではありませんが……。