倒閣のためなら理念も捨てる ― 「保守」を商売にした野合の正体
教育勅語を利用し「保守が商売になる」と判断した籠池氏と、それを倒閣目的で利用した野党・メディアの実態を、高山正之・山口敬之の対談を通して描く。理念なき野合が露呈した森友問題の核心を抉る論考。
教育方針がおかしいと厳しく批判していた人物でも、倒閣に使えるとなれば平気で野合する。
2017-05-10
以下は前章の続きである。
高山
安倍晋三の名前を金集めの道具にしたんだ。
山口
彼らは「保守」のマーケティングをして、「安倍の名前を使うといい」と考えたのでしょう。
「安倍晋三記念小学校」という校名もそうだし、そのために寄付金をもらったことにしようということであれば動機はすっきりわかる。
高山
かつては左翼がかっていなければ学校もつくれなかった。
金も援助も受けられなかった。
山口
日教組も強かったですからね。
高山
ところが左翼が没落し、「今は保守が商売になる」と籠池は気がついて、安倍晋三の名前を出したり、教育勅語を持ち出したりした。
下手に左翼の授業をされるより、そのほうがいいと善良な親は思うからね。
安倍晋三の名前で人が寄ってくるなんて、十年前にはあり得なかった話だよ。
山口
信念として教育勅語を教えるのであれば、別にやめたりせず続ければいいわけです。
いざピンチになると、自宅に共産党や社民党の人間を招き入れる。
家に上げるなら自民も維新も呼ぶべきですよ。
なぜあの四党なのか。
あの学校の「保守教育」は単なる金儲けの手段であって、教育者としての信念から出たものではなかったということです。
馬脚を現しましたね。
共産党も共産党で、「教育勅語を教えるようなウルトラライトな学校などとんでもない」と、直前まで国会で言っていたのですから。
教育方針がおかしいと厳しく批判していた人物でも、倒閣に使えるとなれば平気で野合する。
高山
あのアパホテルだって応援する人がいるし、中国人の来ないホテルならそっちのほうがいいという人もいる。
山口
宿泊客が増えたと言っていますからね(笑)。
高山
時代が大きく変わっている。
それを龍池は読んでいた。
品はないけど抜け目もない。
騒音激甚地帯にも“人物”はいるんだよ。(笑)