地方に息づく尚武の気風と、日本文化の未来

彦根の町で目にした高校生たちの姿を通して、地方に残る尚武の精神、日本文化の奥深さ、そして日本人が自国の伝統と創造力に自信を持つべき時代の到来を描いた論考。
2017-05-11発信。

彦根の町で目にした高校生たちの姿を通して、地方に残る尚武の精神、日本文化の奥深さ、そして日本人が自国の伝統と創造力に自信を持つべき時代の到来を描いた論考。
2017-05-11発信。


夜おそく彦根の町を歩いていると突然、若い高校生の集団にかこまれたことがあった。
2017-05-11。
以下は前章の続きである。
夜おそく彦根の町を歩いていると突然、若い高校生の集団にかこまれたことがあった。
女子高生たちは長刀をもったり弓をもったりして、グングンと歩いてゆく。
男子高校生は剣道着や柔道着をもっている。
部活動を終わって駅まで歩いて帰る若い人の身体からは湯気がたっていて壮観だった。
そうか、こういう日本もあったのだ、と私は感動した。
彦根の学生は昔は彦根経専、滋賀大学とさかのぼると、井伊掃部頭十八万石の藩校につながる。
その尚武の気風は健在なのだと感動した。
今にノーベル賞も……あり得る。
東京から日本をみていては間違いをおかす。
これからは地方からの若い力が日本を代表すると思ったが、そうなる途中のことは古い私には想像がつかなかった。
欧米をこえるとか、和魂洋才とか、追いつけ追いこせの日本人にしみこんだ考えはまだぬけていないが、若い人は自分の内発的な意欲にしたがって、どんどん自分の道を歩いている。
マンガ、アニメ、ゲームの世界はもちろん、スポーツの世界でも日本人は当然のように金メダルをとっている。
この先は……と考えると日常生活や文化の面で日本らしさの自然な発露として世界の人が仰ぎみるような新文化や、気高さや、いさぎよさや、娯楽を創造する時代が見えてくる。
さらにその先は……と考えると日本人一人ひとりが自分の文化をもち、それに誇りをもって、さらなるその開発と創成に感性を磨く時代の到来が考えられる。
具体的にいえば、わが家にお客さんを招く文化が他の文化に比して貧弱である。
外国人は日本人の家によばれてみたいと心の底から願っているが、それにこたえる日本人は少ない。
言いわけは「家が貧弱だから」とかいろいろあるが、ホントは日本の伝統文化があまりにも立派だからで、わが家はトテモトテモ、お目にかけられるようなものではないと卑下するからである。
日本人自身、そろそろ自国の伝統文化のすごさについて自覚すべき時が来ている。

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