日本と国民が戦火に見舞われるとすれば、それを招くのは侵略国と日本の似非平和主義者らである。
以下は3/8の産経新聞に、日本を危うくする似非平和主義、と題して掲載された論説副委員長榊原智の論文からである。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
侵攻するロシア軍に抗戦するウクライナ国民を尊敬し、同情し、侵略者の撃退を強く願っている。
ロシアは自国がウクライナから攻撃される恐れを抱かずに侵略を続けている。
ウクライナ軍の短距離弾道ミサイルがロシア領にある空軍基地を叩いたという観測はあるが、事実であってもごく限られた反撃といえる。
ウクライナにとって今回の戦いは本土決戦の一種だ。
これは大東亜戦争(太平洋戦争)で、昭和天皇のご聖断により日本が避けることができた戦い方だが、戦後日本の防衛政策は「専守防衛」の名の下で本土決戦主義をとっている。
ウクライナ侵攻に憤る日本国民は、専守防衛の下での本土決戦主義にも憤るべきだろう。
今回の侵略はプーチン露大統領に全ての罪がある。
その上で指摘したいが、ウクライナは軍備が過小だった。
共に戦う同盟国を持っていなかった。
ロシアの核兵器による恫喝を退ける核抑止の方策も講じていなかった。
そのようなウクライナに責任があるとは言えないが、侵略者の垂涎の的になってしまった。
国土は蹂躙され、無辜の民は多く死傷し、原発は砲撃され、核恫喝されている。
欧米諸国はウクライナヘ対戦車ミサイル、地対空ミサイルなどの武器を供与している。
トルコが輸出した軍事ドローンはロシア軍の装甲車両を破壊している。
日本は防弾チョッキや防寒服をウクライナに供与する。
殺傷力のある装備品を輸出しない「防衛装備移転三原則」があるためだ。
以前の日本と比べれば今回の供与は進歩だが本当は十分ではない。
もしも欧米諸国が日本と同様の態度をとれば、ウクライナは侵略者に抗戦する術を持ちえない。
一定の力がなければ侵略者との停戦交渉すらできなくなる。
信じ難いことだが、侵略戦争を目の当たりにしてもなお、防衛費の思い切った増額や敵基地攻撃能力導入、核共有を含む核抑止態勢の議論-などの抑止力向上の努力に反対する勢力が日本には存在する。
彼らは安全保障の現実から目を背けているか、国民を守る気がないかのどちらかだ。
そのような反対が平和を守ると勘違いしている政党や政治家や、彼らに論難を加える勇気を持たない政治家、官僚は本当に罪深い。
日本と国民が戦火に見舞われるとすれば、それを招くのは侵略国と日本の似非平和主義者らである。