電力自由化では電気料金は下がらない — 再生可能エネルギーの致命的限界 —

原子力停止と火力依存によって日本は深刻な電力不足に陥っている。
発送電分離と電力自由化は発電事業者に有利な売り手市場を生み、電気料金低下にはつながらない。
天候に左右される再生可能エネルギーは、技術進歩があっても本質的な不安定性を克服できない。

2016-03-24
以下は前章の続きである。
だから、もし、北欧のように電気料金を安くしたいのであれば、ダムをもっと増やすか(無理ですが)、原子力をもっと増やす(もっと無理ですが)しかありません。
それどころか、原発の停止により、わが国はエネルギー源のバランスが火力発電に一元的に傾くという異常な状態にあり、先が見えない深刻な電力不足状況です。
このような状況では国際原油相場や、それに連動する天然ガス相場の影響をもろにかぶってしまいます。
そうなった場合、発送電分離がされていたとすると、発電業者サイドが圧倒的に有利な売り手市場となるでしょう。
はっきり言って、発電業者側は、高い売電価格を維持しておくためには、電力は「不足気味」であったほうがいいわけで、あえて安くする努力をする必要がなくなるわけです。
電力価格は、電力自由化となれば、送電業者との相対取引になるわけですから、それが適正であるかを審議する政府のチェック機能もなくなります。
これで、どうして電力価格が下がるのか私にはさっぱり分かりません。
また、再生可能エネルギーが増えるということについては、逆に分離すれば致命的に拡大することは阻害されるでしょう。
というのは、再生可能エネルギーは本質的にその日の天候によって左右される性格があるからです。
晴れればよく発電し、雨ならばまったくダメ、風が吹けばプロペラは回るが、凪ならば全然ダメという性格は、どのような技術進歩があっても変化しません。

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