偏向報道のための「編集」 ― 切り取られた台湾人の言葉
NHK番組で放送された元台湾人日本兵の証言は、発言の核心部分が意図的に編集で切り取られていた。昭和二十年に「日本に捨てられた」という台湾人の複雑な感情は、日本統治への怨恨として歪められ、番組の結論に利用された。公共放送が自ら定めた放送ガイドラインとの明白な矛盾を検証する。
2017-06-19
以下は前章の続きである。
文中強調は私。
偏向報道のための「編集」。
NHKによるこの番組は、柯氏だけでなく、何人かの台湾人に取材をしているが、番組の最後に強調するように流れた「証言」がありました。
元台湾人日本兵のおじいさんが、「(台湾人は)みなしごになって捨てられたみたいですよ。人を馬鹿にしてるんだ、日本は」と叫ぶ場面です。
その後、おじいさんは、「台湾の当時の青年がいかに日本に協力して尽くしたか、心を察してもらいたい」と述べ、最後に、「それなのに」と言ったところで「証言」のVTRは切られています。
その後、このおじいさんの言葉を引き取ったのは、フランス人の歴史学者で、「なぜ世界の人々は日本をこのように見るのか理解しなければならない」とコメントして番組は終わりました。
このおじいさんが言いたかった、または本当は語っていた「それなのに」の後に続く言葉は、柯氏と同じように昭和二十年に「日本に捨てられた」という複雑な台湾人の思いから発せられたと推察できます。
しかし、番組では日本統治への怨み、皇民化への怨みに取れるように見事なまでに編集されていました。
この番組に出たあのフランス人の学者が、日本の台湾統治とフランスのベトナム統治を比べたら、天国と地獄の差であったと告白するでしょう。
そういう風なプログラムを作るのが日本の公共放送の義務なのではないか。
先ほど挙げたNHKの「新放送ガイドライン」の「2 取材・制作の基本姿勢」にある「⑤取材の基本ルール」には次のように書かれています。
「取材にあたっては、番組および取材の意図を事前に十分説明し、理解を得る。
また、取材後の状況の変化によって番組のねらいが変更された場合にも、取材の相手に十分に説明する」。
また、「⑥番組の企画・制作」には次のように書かれています。
「構成や演出など全般にわたって幅広く目配りし、題材や出演者の選び方に偏りがないように注意する。
編集にあたっては、事実をゆがめたり、誤解を与えたりしてはならない」。
被取材者の柯氏ご本人が、「騙された」と言っているのですから、NHKはこれに答える必要があります。