忘れられていた日本一の桜――大川沿いの圧倒的スケール
京都の桜に目を奪われがちな近年、実は日本一と言っても過言ではない規模と完成度を誇るのが大阪・大川沿いの桜である。
桜ノ宮から大阪城公園に至る水辺の整備と重層的な桜景観は、都市の叡智が生んだ奇跡的風景である。
2016-04-05
先日の夜、ビートたけしが出演しているTBSの番組で、
ライブ映像として映し出された大阪、桜ノ宮、大川沿いの桜の光景を見た。
ここ数年、京都の桜にのみ魅せられていて、
そのスケールから言えば日本一と言っても過言ではない大川沿いの桜を、すっかり忘れていたことに気づかされた。
翌日の日曜日、JR大阪駅からわずか二駅の桜ノ宮駅に降り立って、私は驚いた。
駅前から続く見事な桜並木は、まさに満開だった。
向かいに見える帝国ホテル大阪との間に架かる橋からの眺めは、これ以上ないほどの壮観である。
橋の中央に立てば、左右に荘厳な桜を従えるように、大阪城が見える。
まず左岸から天満橋へ向かって歩くことにして、私はさらに驚いた。
水辺が見事に整備され、入り江が連なっていたからである。
橋の上からは、雀が水辺で水浴びをしているのが見えた。
豪快な眺めと言っても過言ではない。
大阪城を築いた秀吉の精神が、巧まずして生きていると言っても過言ではない。
しかも、この見事な入り江は一か所にとどまらない。
海水浴ができそうな入り江もあり、子どもたちが嬉々として水辺で遊んでいる。
大川の両岸だけでなく、入り江を取り囲むように桜並木が続いている。
つまり桜は二重三重に重なり、実に見事な景観を形づくっているのである。
一緒に歩いていた大阪育ちの親友がつぶやいた。
「大阪は宣伝が下手やね」。
私は思った。
いま大阪を訪れる外国人が、必ず行くべき場所として挙げる大阪城公園の素晴らしさを、
朝日新聞は、ほとんど書いてこなかった。
それどころか、自らの社運を賭けた中之島フェスティバルタワーツインの竣工時期と、
梅田北ヤードの竣工時期が重なったというだけで、
大阪の官民の叡智を集め、二十年以上かけて進めてきた北ヤード第二期開発を止め、
緑地化を唱え、政界と経済界を自らの意向に沿うようにしつらえた新聞社がある。
その意向に沿って動いたという点で、私は大阪維新の会に零点しか与えられない。
一昨年八月まで、
幼稚で、日本国にとって最悪に悪辣な新聞社が、
日本のみならず大阪をも牛耳ってきたのだから、
大阪の大凋落も、また当然だったのである。
この稿続く。