国辱を恥じた先人
朝日新聞の慰安婦報道がもたらした国際的誤解と「日本の恥」を、日本人の歴史的な「恥と名誉」の概念から厳しく問う論考。
2017-06-23
国辱を恥じた先人
本来であれば、朝日新聞社長は国連の人権委員会の壇上で腹を斬るべきでしょう。
そこまでしなければ晴れないほどの誤解を国際社会に蔓延させ、そこまでしなければ拭えないほどの「恥」を日本人に被せていることを、朝日新聞や朝日の擁護者はどうも理解していない。
かつて鎖国下の一八〇八年、イギリス船フェートン号が長崎港に入り、オランダ商館員二人の捕縛に加え、長崎港内の捜索を行うフェートン号事件が起こりました。
当時の長崎奉行・松平康英はイギリス船の打ち払いを命じたものの、脅しに屈してしまったのです。
そのことを恥じた松平康英はイギリス船が長崎を去った直後、切腹しました。
これは典型的な、日本人の「恥」の概念でしょう。
遺書には「日本の恥辱と相成り候事……一身の恥辱は兎も角も、此場に至りて天下の御恥辱を異国へあらはし候段、不調法の仕合に御座候」と綴られていたといいます。
自分の恥よりも、日本の恥辱を外国に晒してしまったことに対する無念さが伝わってきます。
もちろん、ここまでする必要はなかった、ということも言えるでしょうが、国に対して恥辱を与える行為がどれだけ重く考えられていたか分かろうというものです。
恥、そして名誉といった言葉を、日本人はいつの間にか言わなくなってきました。
しかし、いまも朝日新聞の記事によって日本の名誉は傷つけられ、諸外国に対して恥を晒しています。
私が何よりも腹が立つのは、子供たちへの影響です。
育った頃を思い出すと、私は日本人に生まれたこと、男に生まれたことを考えるだけで、胸が膨れるような誇らしい気持ちになったものでした。
しかしいまの子供たちは、「日本人に生まれてよかった」とそれだけで多幸感に包まれるような気持ちを持てているでしょうか。
カリフォルニア州のグレンテールに慰安婦少女像が建った際、地元の小学校では児童を連れてその場に見学に行き、教師が説明をしたそうです。
像の横の碑には「二十万人もの女性を性奴隷にした」と書いてありますから、当然、「日本がいかに悪いことをしたか」という説明がなされたことでしょう。
現地の日本人駐在員の子供たちは、顔をあげることもできなかった。
どんな気持ちで教師の説明を聞いていたかと思うと、胸が痛みます。
この稿続く。