「慰安婦を象徴する少女像」という危険な虚構
慰安婦問題で事実に踏み込んだ反論を行うには、日本側自身が事実を正確に理解していなければならない。ネット上では慰安婦像のモデルに関する虚偽情報が拡散しているが、これは明確な誤りである。像の制作経緯と制作者の思想背景を確認すれば、「慰安婦を象徴する少女像」という表現自体が極めて政治的で危険な用語であることが分かる。
発信日:2017-06-28
事実関係に踏み込んだ反論をする際には、こちら側がきちんと事実を踏まえてぃなければならない
以下は前章の続きである。
慰安婦を象徴する少女像?
事実関係に踏み込んだ反論をする際には、こちら側がきちんと事実を踏まえてぃなければならない。
その点で最近、日本のネット上で韓国に対する事実に反する主張が散見されることは残念だ。
不特定多数の書き込みによって作成されているネット上の「百科事典」であるウィキペディア日本語版の「慰安婦像」の頁に、以下のような事実に反する記述がある(2017年6月15日閲覧)。
〈像の造形について、議政府米軍装甲車女子中学生轢死事件に抗議してキム・ウンソン夫妻が製作した被害者の少女らを象った一対の像のひとつとの類似が指摘されている【要出典】。この像は、事故死時に少女たちの靴が脱げていたことを受けて、拳を握り締めた裸足の少女が二人椅子にかけて正面を見つめている、というものであった〉
【要出典】という註がつけられているが、ネット上では慰安婦像のモデルが米軍装甲車に轢かれて死んだ女子中学生だという主張が、恰も事実であるかのように拡散している。
しかし、これは明確に虚偽だ。
そもそも、慰安婦像は民族衣装であるチマチョゴリを着ているが、交通事故で亡くなった二人は洋服を着ていた。
慰安婦像の作家である金運成氏は川韓慰安婦合意が公表された直後、左派系新聞のハンギョレ新聞社が発行する週刊誌『ハンギョレ21』(2016年1月11日号)のインタビューで、慰安婦像制作過程を次のように詳しく語っている。
そこでは米軍の交通事故事件はまったく出てこない。
慰安婦像は金運成氏と、その妻である金ソギョン氏によって制作された。
金氏夫妻は親北朝鮮団体に関わり、反米活動を数多く行なってきた極左活動家だ。
金運成氏は、「民族美術家協会」の事務長として2007年に北朝鮮を訪問した。
金氏らは慰安婦像を「少女像」と呼んでいる。
汚れない少女を日本軍が強制的に性奴隷にしたという彼らの固定観念がそこに込められている。
合意発表以後、朝日やNHKなど多くの日本のマスコミが「慰安婦を象徴する少女像」という表現を使い始めた。
日本も彼らの固定観念を受け入れているかのようで危険な用語だ。
この稿続く。