金持ちは助かり、貧乏人は死ぬ ― 中国医療崩壊と日本の保険制度悪用の実態
中国では癌患者が激増する一方、医療体制は崩壊寸前にある。富裕層は日本や欧米で治療を受け、生き延び、貧困層は見捨てられる現実。中国幹部の国外医療依存と、日本の健康保険制度が不正に利用される構造を告発する論考。
2017-07-02
金持ちは、日本や欧米で治療すれば助かる。
貧乏人は死ぬだけ。
以下は前章の続きである。
題字以外の文中強調は私。
「芋づる式」に増やせる?
世界保健機関(WHO)の2015年のレポートに、中国の癌患者の増加数は世界一と記されているように、中国は自他ともに認める癌大国である。
長年の一人っ子政策のあおりで老齢化が進む中、年々、急激な右肩上がりで胃癌、肺癌などの癌患者が増えている。
中国の全国腫瘍報告センター(中国72都市の癌センター)のデータによると、2015年の1年間で、新たに約430万人が癌を患い、約180万人が癌で死亡し、1日の死者数は約7,500人に達しているという。
癌患者が激増した背景には、成長ホルモン剤漬けの鶏肉や豚肉、農薬まみれの野菜など、発癌性物質と同義語の毒食、汚染水、劣悪な空気があることは言うまでもない。
子供を含めてメタボも激増している。
派手な宴会と粗悪なアルコールがたたってか、肝機能を悪くしている共産党地方幹部も少なくない。
それなのに、中国の医療事情は、お粗末としか言いようがない。
病院数、ベッド数、医師はいずれも慢性的に不足し、医師の技術、設備、衛生状態、サービスなど、何もかもが杜撰すぎて問題山積なのである。
「救急車を呼びたくても、高額な上に現金による前払いが普通ですよ。
何よりも台数自体が少ないから、当てになどできない」と、北京郊外の在住者は語る。
お金とコネが無ければ。
そもそも、お金とコネが無ければ、深刻な病気を患っても、手術どころか入院すらままならず、まともな治療を受けることなく、あの世へ行くしかない。
ネット空間には、「金持ちは、日本や欧米で治療すれば助かる。貧乏人は死ぬだけ」「中国では幾ら金があっても医者がニセモノだから」「中国国内に流通している薬は偽物ではなく毒物だ」といった自虐的な言葉が飛び交っている。
中国共産党幹部が、自身や家族の命以外、人民の生命など考えていないことが分かる。
また、「幹部が日本の某有名私立病院に入院中」といった話も、時に漏れ伝わってくる。
支払い額は高額である。
とすれば、ペーパーカンパニーを日本につくり、保険にでも加入しているのかもしれない。
前述の経営管理ビザについて調べてみると、2015年4月1日に「投資経営ビザ」から名称が変わり、取得要件が緩和されていた。
詳細は省くが、大雑把に言えば、日本法人を設立していなくても、設立予定であることを含め、会社の定款を入国管理局に提示すれば、「会社設立に向けて進行中」と理解されるようになったのである。
資本金(見せ金?)は500万円以上で新規申請が可能で、在留期間は「5年」「3年」「1年」「4か月」「3か月」の5種類。
いずれの場合も被保険者になる資格がある。
その他、中小企業の従業員などが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)もある。
これは、外国に居住する妻子や両親なども、本人が扶養していれば、すべて加入できる制度である。
聞くところによれば、「送金証明書や続柄を示す証明書などを“偽造”して提出しても、審査は通る」という。
であれば、日本の中小企業に勤める従業員から、「芋づる式」に保険証の数を増やすこともできる。
まずは「養子縁組」という手段がある。
事実、中国人女性と結婚した日本人男性が、知らないうちに数人の子供の父親になっているケースは珍しくない。
養子縁組は、子供手当をゲットするための錬金術の一つなのである。
とはいえ、就学時期になっても、日本に「養子」の姿が必ずしもあるわけではない。
周囲が不審に感じても、「中国人妻の両親の元に預け、そこから学校に通わせる」「上海の寄宿学校に入れて学ばせる」などの詭弁は、日本の役所では通用してしまう。
まさか、ブローカーに保険証の名義貸しをするビジネスなども、密かに流行っているのだろうか。