国連至上主義という幻想――善良な組織だという思い込みの危うさ
長尾敬は、月刊誌正論に寄稿し、国連の勧告を無条件に正義と受け取る日本社会の「国連至上主義」を厳しく批判した。
デービッド・ケイによる言論の自由報告の問題点を通じ、国連の看板が国内左派勢力に悪用されている実態を明らかにする。
2017-07-07
以下は、先日発売された月刊誌正論に、衆議院議員の長尾敬が寄稿した、まさに正論である。
国連人権理事会の「表現の自由」に関する特別報告者であり、アメリカの法学者でもあるデービッド・ケイ、カリフォルニア大学アーバイン校教授が、
十二日、スイス・ジュネーブで開会中の同理事会において、日本の言論状況について報告を行った。
氏はこの報告に先立ち来日し、二日に上智大学で講演を行っている。
その直前、私が所属する自民党国際情報検討委員会を訪れ、有志議員らと議論を交わした。
しかし、彼の演説も報告書の内容も、問題点だらけであった。
私たちはそれらの問題点を指摘し、日本の言論状況を正しく認識するよう求め、
少なくとも事実誤認、嘘、歪曲を改めるよう要請した。
外務省も既に、彼と二時間にわたり意見交換を行ったようだが、
こうした指摘はほぼ全て無視されたのである。
国連特別報告者という立場の者による、承服しがたい出来事が相次いでいる。
彼の報告内容はその筆頭である。
さらに、日本の「テロ等準備罪」について、
「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と書簡で発言した、
ジョセフ・ケナタッチ、マルタ大学教授の件もある。
また、国連拷問禁止委員会が、慰安婦問題をめぐる日韓合意の見直しを、
唐突に韓国政府へ勧告した件も看過できない。
多くの日本人の心には、国連とは善良な組織であるという、
国連至上主義がこびり付いている。
国連が日本政府の施策に対して「勧告」したと聞いただけで、
日本政府や政権のやっていることはおかしいと受け止めてしまう。
しかし、こうした動きの背後には、
その大半において明確な仕掛けが存在する。
日本の人権団体や弁護士、左翼運動団体などが、
国連を舞台に手引きしているのである。
日本国内で相手にされなくなった彼らは、
主戦場を国連へ移し、外部から国内世論を動かそうとしている。
日本人は「国連からの勧告」と聞いただけで、
それを公正中立な意見だと鵜呑みにする。
要するに、国連の看板が悪用されているのだ。
特に国連人権理事会は、その巣窟のような場と化しており、
国連自体の信用すら厳しく問われている。
私は、私自身が直接目にしたデービッド・ケイ氏の報告内容の問題点を、
広く知ってほしいと考えている。
この稿続く。