常識を「ヘイト」に変換する装置 ― 政治家レイシズム・データベースの正体

反中国・反韓国・反北朝鮮の文脈を含む発言を無差別に「ヘイト」「レイシズム」と分類する政治家レイシズム・データベースの粗雑さと、その反知性的手法を具体例から検証する。

2017-07-13

以下は前章の続きである。

データベース上の発言を見て、開いた口が塞がりませんでした。

「特攻隊員たちを賛美することは戦争を肯定することだと、ドヤ顔で述べる人がいるのに呆れる。
逃れられぬ死を前にして、家族と祖国そして見送る者たちを思いながら、笑顔で死んでいった男たちを賛美することが悪なのか。
戦争否定のためには、彼らをバカとののしれと言うのか。
そんなことできるか!」
(2013年、ツイッター)

「国会議員にとって、国籍の問題は大変重要だ。
蓮舫氏が二重国籍だったとすれば、大問題である。
二重国籍に至った事情や理由は関係ない。
他の国の国籍を持つ人物が大臣をしていたということは、許されざることである」
(2016年、同)

――いずれも常識の範囲内である。
いったい、どの箇所が、誰に対する、どんな「差別」「憎しみ」なのか。

百田
まったく意味不明でしょう。

この政治家レイシズム・データベースには、安倍晋三首相をはじめ、国会議員の発言が数多く登録されている。

たとえば、次のような発言である。

安倍晋三首相は、NHKの番組で、朝日新聞が慰安婦をめぐる吉田清治氏の証言を伝えた記事を取り消したことについて、
朝日新聞自体が、もっと努力をしていく必要があると述べた。

日本兵が、人さらいのように人の家に入って子どもをさらい、慰安婦にしたという記事が、
世界中で事実だと受け取られ、多くの非難碑が建てられている。

それを世界に向かって、しっかりと取り消していく必要がある。
一度できてしまった固定観念を変えることは、外交が絡む以上、非常に難しい。

――こうした発言を、レイシズムと同列に扱う。

朝日新聞が世界に広めてしまった「吉田証言」の嘘と誤りを、
日本人が世界に説明しなければならない局面で、
この発言をヘイトスピーチと並べて処理する、その粗雑さと無神経さ。

彼らは、反中国、反韓国、反北朝鮮の雰囲気が感じられる発言であれば、
内容も文脈も無視して、
手当たり次第に拾い上げ、
ヘイトスピーチ、レイシズムのデータベースに放り込んでいるのである。

これを、事実と向き合う真っ当な言論活動だとは、到底思えない。

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