立証責任の転嫁という詭弁 ― 国会で踏みにじられた証拠主義

加計問題では「悪魔の証明」が国会で横行し、総理や内閣府関係者が不当な答弁を強いられた。証拠主義と立証責任の原則がいかに歪められたかを検証する。

2017-07-13

以下は前章の続きである。

また、「立証責任の転嫁」がまかり通っている。

たとえばA氏がB氏の罪を問うなら、その説明責任は訴えを起こしたA氏の側にある。

B氏が、何もしていないことを自ら立証するのは不可能だ。

こうした問題は、「悪魔の証明」として知られている。

しかし国会では、総理や内閣府の関係者が、こうした無茶な答弁を強いられたのである。

証拠主義と立証責任。

さすがに、このような稚拙な批判は、ワイドショーでは通用しても国会では通用しない……そう考えたのか、族議員の攻撃は次第に別の視点に移っていった。

なぜ、加計学園を選んだのか、その理由は正当化されるのか、という点である。

これは、第一の批判に比べると、政策論としてはややまともである。

先ほども述べたように、改革においては、改革派と抵抗勢力のあいだで、つねにバトルが付きまとう。

国家戦略特区では、諮問会議とともに専門家のワーキング・グループ(WG)を設け、日常的に関係省庁と議論する仕組みをつくっている。

獣医学部をつくりたいと主張する主体があるのに、なぜ文部科学省はそれを認可しないのか、合理的な理由はあるのか。

こうした問いに対して、文科省側は有効な反論を示すことができなかった。

これらのやりとりは、すべて議事録として公開されている。

次なる問題は、どのような制度設計にするのか、つまり何校を認めるのか、そしてどの地域のプロジェクトを選ぶのか、という点である。

当然ながら、改革する側は、複数を認可し競争を促進することが適切だと考えていた。

しかし、ここで抵抗勢力が猛烈な圧力をかけてくる。

結果として、とりあえず一校を認め、突破口を開くという形で落ち着いた。

一校に絞ったのは、まさに抵抗勢力の圧力によるものである。

次にプロジェクトを選定する段階に入るが、これまでの議論の積み重ねとして、二年前の成長戦略において、獣医学部新設に関する四条件が示されている。

これは、閣議決定された正式な文書である。

これを踏まえた結果、加計学園という結論に至った。

これは誰の目にも当然の結果であり、諮問会議などでも異論は出なかった。

加計学園は、十年以上にわたり学部新設を申請し、そのための十分な準備を進めてきた。

教員の確保についても、見通しは立っていた。

現実には獣医師不足が深刻であり、人材確保は決して容易ではない。

医学部新設の場合も、抵抗勢力は医師は足りていると主張しながら、いざ新設となると今度は医師不足になるなど、矛盾した批判を平然と繰り返してきた。

この稿続く。

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