中国が「沖縄」を同盟分断の主戦場に定めた理由
米中経済安保調査委員会の報告書は、中国が対日戦術の重点を沖縄に移した実態を明らかにした。日米同盟分断を狙う中国の戦略と、その核心にある沖縄工作の意味を検証する。
2017-07-19
同報告書はそのうえで三戦術の最後の【同盟分断】に触れて、そのなかの主要項目として「沖縄」をあげていた。
注目されるのは、同じ「同盟分断」の章ではアメリカの同盟諸国の国名をあげて、国別の実態を報告しているのに対し、日本の場合は、日本という国名ではなく「沖縄」だけを特記している点だった。
中国の日本に対する同盟分断戦術はいまのところ沖縄に集中しているという認識の反映のようなのである。
その記述は以下のような趣旨だった。
「中国は日本を日米同盟から離反させ、中国に譲歩させるための戦術として経済的威圧を試みたが、ほとんど成功しなかった。日本へのレアアースの輸出禁止や中国市場での日本製品ボイコットなどは効果をあげず、日本は尖閣諸島問題でも譲歩をせず、逆に他のアジア諸国との安保協力を強め、アメリカからは尖閣防衛への支援の言明を得た」
中国はだから沖縄への工作に対日戦術の重点をおくようになったというわけだ。
「中国軍部はとくに沖縄駐留の米軍が有する遠隔地への兵力投入能力を深刻に懸念しており、その弱体化を多角的な方法で図っている」
沖縄には周知のように米軍の海兵隊の精鋭が駐留している。
第三海兵遠征軍と呼ばれる部隊は海兵空陸機動部隊とも称され、空と海の両方から遠隔地での紛争や危機にも対応して、展開できる。
多様な軍事作戦任務や地域の安全保障協力活動が可能であり、有事や緊急事態ヘスピーディーに出動できる。
米軍全体でも最も実戦的な遠征即応部隊としての自立作戦能力を備えているともいわれる。
まさに中国側からすれば大きな脅威というわけだ。
だからその戦力、能力をあらゆる手段を使って削ぐことは中国にとっての重要な戦略目標ということになる。
この稿続く。