「行政が歪められた」?――首相の職務と国家戦略特区を巡る根本的誤解

加計学園問題を巡る「行政が歪められた」という批判の欺瞞を、憲法第72条と首相の職務規定から検証。
国家戦略特区の制度設計、官僚機構の岩盤規制、前川喜平発言の矛盾を浮き彫りにする。

2017-07-31

以下は前章の続きである。
「行政が歪められた」?
そもそも首相の職務について規定する憲法第七十二条は、次のように定めている。
「内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する」。
つまり、当たり前のことだが、行政府の長である首相は、もともと行政機関を「指揮監督」するものなのである。
そして、官僚機構による「岩盤規制」改革の突破口として国家戦略特区を提案した日本経済再生本部の本部長は首相であり、国家戦略特区諮問会議の議長も首相である。
にもかかわらず、行政手続きに首相の意向が働いたとしたらけしからんだとか、「行政が歪められた」(前川喜平前文部科学事務次官)などとの批判が出ること自体、意味が分からないし、理解に苦しむ。
安倍晋三首相自身は、三月初旬に周囲から加計学園問題について訊かれ、あっさりとこう述べていた。
「全然問題はない。自治体による学校法人への土地の無償提供なんて25例もあるしね」。
自身が加計学園に何らかの便宜を図ったり、官僚に指示したりした覚えが全くなかったから、まさか理事長が長年の友人だったというだけで「疑惑」が作り上げられるとは思っていなかったのだろう。
安倍首相は、五月末頃には周囲にこうこぼしていた。
「私が文科省に指示するんだったら、役人じゃなく大臣に言うよ」。
「前川氏は次官だったんだから、内閣府の審議官にどう言われたとか言わずに、私に会いに来られるわけだから。『行政を歪めた』って、歪めたのは獣医師会だろう」。
もっともな話である。
もちろん、安倍首相と理事長の間に違法な金銭の授受などがあったとすれば話は別である。
だが、疑惑を追及する側の民進党の玉木雄一郎衆院議員も、テレビ番組で「違法性はない」と認めているのである。
この稿続く。

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