瀬戸内海国立公園 ― 2024年9月14日 G7遊覧船、島々の光と村田夏帆 ハイドン《ロブコヴィッツ》&イザイ
2024年9月14日。
広島プリンスホテルから、G7サミットの際に各国首脳が実際に乗船した豪華遊覧船に乗り、
私は東回りで瀬戸内海国立公園を巡った。
日本で最初に国立公園に指定された瀬戸内海。
その穏やかな海と、連なる島々の光景は、
雄大さではなく、完成度によって心を打つ。
航路の終点は三原。
そこから新幹線で福山へ向かい、
プラットフォームで舞うアゲハ蝶を見つけ、
ホームから見える福山城を撮影した。
写真の大半は、
広島から三原へ向かう瀬戸内海国立公園の、
海と島々、その静かな光である。
音楽には、
2025年11月22日、ローマで行われた
Murata Natsuho
SINCRONìA – Recital di violino
の演奏を採用した。
2025年に貸与されたフェルディナンド・ガリアーノを、
完全に自家薬籠中の物とし始めた時期の記録であり、
日本が生んだ「世紀のヴァイオリニスト」村田夏帆の本領が、
最も純度の高い形で示されている。
演奏曲目は次の二作。
・Joseph Haydn:
弦楽四重奏曲 第81番 ト長調 Op.77-1
(通称《ロブコヴィッツ四重奏曲》)
・Eugène Ysaÿe:
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第4番 ホ短調 Op.27-4
古典の完成と精神の極限。
この二作を同時に成立させる演奏は稀であり、
世紀の名演奏と言っても過言ではない。
日本国民のみならず、
世界中の人々にとって必聴の音である。
これは観光映像ではない。
国家、自然、文明、そして音楽が、
一つの時間軸で静かに重なった記録である。