捏造の残虐描写は日本ではなく中国古典に通底する
日本人の残虐性を描くとされる記述の多くは、日本の歴史ではなく、中国古典『資治通鑑』に見られる中国人の行動様式と酷似している。中国の対日歴史戦に対し、日本は国家として反証と発信を強化すべき局面にある。
2016-05-03
以下は前章の続きである。
著書には日本人の残虐性を描写するくだりが多数あるが、
それらはいずれも日本人の行動ではなく、
むしろ中国の古書「資治通鑑」に見られる中国人の行動に通底する。
たとえば日本軍は、
「六ヵ月の妊婦を裸にして広場のテーブルに縛りつけ、
乱暴を働きながら撮影し、
腹部を切り裂き銃剣で胎児を引き出した」
などと描写されている。
この種の無残な記述のあと、
同書は、日本兵が生まれつき邪悪でないと仮定しても、
「日本軍の残忍さと無慈悲さは理解し難い」
と書き、
あたかも日本人が、中国人や米国人とは異なる、
特殊な蛮民であるかのように貶めている。
昨年、中国はユネスコの記憶遺産に「南京事件」を登録し、
日本はそれを防げなかった。
今回、慰安婦の登録を阻止できるのか。
記憶遺産の選考過程を、
より公正で透明なものにする制度改革が進みつつあるのは、
日本政府の働きかけとして評価してよい。
だが、制度改革だけでは不十分である。
中国の登録を止めたとしても、
捏造された歴史を覆す情報を、
日本側は精査し、
発信の準備を整えているのか。
安倍晋三首相は、慰安婦問題について、
性奴隷や二十万人といった事実はなく、
強制連行を示すものもなく、
軍の関与は慰安所の設置、健康管理、衛生管理、移送に限られると、
明確に回答している。
しかし外務省は、
これら一連の首相発言を、
自らのホームページにすら掲載していない。
客観的事実の発信は、
日韓慰安婦合意にも反しない。
それでも発信する気がないのか。
発信のみならず、
捏造を覆す情報の発掘や研究についても、
外務省は消極的である。
国家を挙げた中国の企みに対し、
日本もまた国を挙げて立ち向かわねばならない今、
民間情報センターの必要性を痛感する。