「中国側の代弁にすぎない」――抗議を拒んだ本多勝一と朝日新聞の決定的姿勢

「万人坑」報道をめぐり、日本側関係者の調査と証言が否定されたにもかかわらず、本多勝一は「中国側の言うことを代弁しただけ」と抗議を退けた。取材放棄と責任転嫁の実態を明らかにする。

2016-05-04

以下は前章の続きである。
旧撫順炭坑、旧南満鉱業の関係者らにアンケートを送付した。
回答した約六十人と面会するなどしたところ、
全調査対象者が次のように答えた。
「万人坑を見たことがない」。
「万人坑という言葉も知らなかった」。
田辺は平成二年、
雑誌「正論」八月号で、
「万人坑はなかった」とする調査結果を発表した。
これに本多は、
「少数のアンケートで断定するのはおかしい」
と反論した。
双方の主張の食い違いを受け、
旧撫順炭坑関係者らでつくる東京撫順会は、
約千人の全会員にアンケートを送付した。
四百六十九人から得た回答を精査し、
同会は、
「強制労働による犠牲者の『人捨て場』としての万人坑が、
なかったことははっきりした」
と結論づけた。
旧南満鉱業の幹部らは、
連載当時に朝日に、
「万人坑は事実無根だ」と、
記事取り消しを求めていた。
だが、
「門前払い」だったという。
本多にも、
撫順炭坑で電気技師をしていた久野健太郎が、
手紙を送って抗議した。
本多は昭和六十一年三月、
久野に、
次のような返信を寄せた。
「私は中国側の言うのをそのまま代弁しただけですから、
抗議をするのであれば、
中国側に直接やっていただけませんでしょうか」。
連載当時は、
多くの人が存命だったはずだが、
本多や朝日が、
日本側関係者を取材した形跡は、
見当たらない。
この稿続く。

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