高山正之はなぜ真の芸術家なのか――「日本なかりせば」演説が示す戦後史の核心
高山正之は戦後世界で唯一無二のジャーナリストであると同時に、隠された真実を可視化する真の芸術家である。「日本なかりせば」演説をめぐる論考は、米国の対独・対日政策の決定的差異と、日本封じ込めの構造を鮮やかに浮かび上がらせている。
2016-05-11
例えば、先日御紹介した以下の章も、その事を見事に証明しているのである。
高山正之が、戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるだけではなく、真の芸術家であると言っても過言ではない。
彼は、こうした賞賛を、まったく望みもしない人物だとは思うが、先日御紹介した以下の章は、その事実を雄弁に示している。
見出し以外の文中強調と*~*は私。
◎「日本なかりせば」演説の意義
マハティールは言う。
「大戦後、米国はドイツ、イタリアには復興援助をしたが、日本の復興は望まなかった」と。
いわゆるマーシャルプランのことである。
ドイツは他国を侵略し、ユダヤ人の民族浄化という大罪も犯したが、米国は積極的に無償の復興援助を行った。
しかし、日本への援助はすべて有償だった。
勝手に憲法を変えて軍事力を放棄させ、さらにエドウィン・ポーレーの指揮のもとで、国内の工場を解体し、朝鮮、中国へ送り出し、日本の工業レベルを引き下げた。
これは、ドイツやイタリアに対する復興計画とは、まったく逆のことをやったのである。
「侵略国家」という口実のもと、日本という第三世界に強烈なインパクトを与えた国を、再起させるどころか、消滅させかねない意図が、そこには透けて見える。
日本が滅びずに済んだのは、まさにポーレーが来日し、第二次工業解体を行おうとしたその時に、金日成が朝鮮戦争を起こしたからである。
日本にとっては、僥倖だった。
*私は大阪を、実業家としての人生の舞台に選択した。
そのせいか、数人の在日韓国人と親しい交流があった。
その中に朝鮮総連関係の人間がいたが、彼は時々、こう言った。
朝鮮戦争の特需で、日本は儲かった。
私を含め、多くの日本人、とりわけ朝日新聞などの購読者は、皆、同じように思わされてきたはずである。
隠された真実、隠れた真実に光を当て、それを表現できるのが芸術家だと、先年来日した世界的バレリーナが尊敬している、モナコの老婦人は語った。
その定義に従えば、日本には、高山正之以上の芸術家はいなかったと言っても過言ではないと、私は思う。
同時に、文明のターンテーブル、あるいは、日本は戦後七十年を経た今もなお、国際社会において政治的囚人の立場に置かれてきたこと、あるいは、ドナルド・トランプは戦後最大のtricksterである、といった論文を、世界に初めて知らしめた私自身も、なかなか凄いと、我ながら思うのだが(呵呵大笑)。*