歴史を捏造する国に対する武器は事実しかない
徴用工問題と世界遺産登録をめぐる外務省の譲歩外交を批判し、韓国司法による条約否定と歴史捏造の構造を明らかにする論考。歴史を歪曲する国家に対抗する唯一の武器は、妥協なき事実の提示であると訴える。
2017-08-07。
以下は前章の続きである。
九州大学教授の三輪宗弘氏は、1945(昭和20)年に一旦朝鮮に戻った労働者の多くが、再び日本に戻ろうとした事実を指摘する。
米国国立公文書館の統計データ「Illegal Entry of Koreans」から、昭和20年段階で約一万人の朝鮮人が、日本への密入国で捕まり、送り返されていたことが明らかだ。
「奴隷労働や虐殺が行われていたとしたら、なぜ再び密入国してまで日本に戻ろうとするのか、説明できない」と三輪氏は話す。
にもかかわらず、外務省は、日本が朝鮮人労働者を虐待したかのように認め、そのことを広報するための情報センター設置まで約束した。
世界遺産への登録は、ユネスコの諮問機関である、国際記念物遺跡会議の勧告によってなされる。
2015年5月、日本は8県にまたがる23施設(端島を含む)すべての登録が認められるとの満額回答を得た。
しかし、外務省が「韓国の意向も尋ねなければ」と言い始めた。
世界遺産への登録は各国の責任と判断で申請され、それをイコモスが判断するものである。
韓国も中国も関係ないにもかかわらず、外務省は韓国に気兼ねし、韓国は日本の登録阻止に動いた。
日本外務省は韓国に譲歩し、徴用工は「forced to work」と自ら書いた。
国際的に見れば、時効のない罪である強制労働を認めたに等しい。
慰安婦と徴用工、すべて日本外交の国益なき敗北主義から生まれているのだ。
歪曲、捏造、条約の無効化など、あらゆる手段で日本追及に突き進む韓国の意図を、外務省は認識し、事実に立脚して理論武装をすべきだ。
2013年7月10日、ソウル高等裁判所は、新日鉄住金に対し、同社を訴えた4人の韓国人原告に、戦時中の労働に対する賃金等として一億ウォンの支払いを命じた。
原告らは、それ以前に日本で完敗していた。
2003年10月、最高裁が、日韓基本条約により、徴用工の請求権問題は解決済みと判断したからである。
彼らが韓国で勝訴したのは、韓国司法の考え方や対日姿勢の変化ゆえである。
彼らは判決文で天皇陛下を「日王」と呼び、日韓基本条約に基づいた日本の司法判断を、次の理由で覆した。
「日帝強占期の日本の韓半島支配は規範的観点から不法な強占にすぎず、日本の不法な支配による法律関係のうち、大韓民国の憲法精神と両立しえないものは、その効力が排斥される」。
こうして、国際常識に反して、請求権は解決済みとした日韓基本条約が否定され、日本側が敗訴した。
中国人は韓国人の闘い方に学び、中国で訴えを起こし始めた。
その筆頭が、三菱マテリアルのケースである。
歴史を捏造する国に対する武器は、事実しかない。
事実に目をつぶり、妥協する名誉なき怯懦は許されない。