真の国難はどこにあるのか――尖閣危機という目前の現実
北朝鮮の脅威の陰で、中国は尖閣諸島への侵入と奪取の動きを常態化させている。米議会報告は、中国の軍事的意図が日本にとってより直接的で現実的な国難であると警告する。日中対立は米中戦争にまで拡大する可能性を秘め、日本の安全保障認識が問われている。
北朝鮮の脅威よりも、もっと目前に迫った、もっと実害や危機の認定が容易な、まさに“国難”なのである。
2018-01-17
以下は月刊誌WiLL2月号に掲載された産経新聞ワシントン駐在客員特派員古森義久氏の論文である。
見出し以外の文中強調は私。
尖閣奪取!開戦前夜
北のミサイル騒動に隠れていたが、中国は着々と戦闘態勢を整えている。日本の覚悟は……。
真の国難
日本にとっての真の国難はやはり中国の脅威である―。
こんな認識をいやでも受け入れざるを得ない調査報告がアメリカ連邦議会で公表された。
安倍晋三首相は、日本の国難は「北朝鮮の脅威」と「日本国民の少子高齢化」だと宣言した。
確かにいまの日本では、外部から日本国を脅かす危険という意味での国難なら、北朝鮮の核兵器や長距離ミサイルの開発をあげる向きが多いだろう。
ところが、いま明らかとなった日本へのさらに大きな脅威や危険は、中国の動向、とくに中国が軍事手段をも使って日本固有の領土の尖閣諸島を奪おうとする動きだと認めざるを得ないのだ。
中国は日本の領土に侵入し、奪取しようとしているのである。
その侵略の動きはすでに始まり、恒常的となっているのだ。
その尖閣危機の実態がアメリカ議会の政策諮問機関の年次報告書により詳細に発表された。
日本側では、この尖閣諸島の危機に対し、正面から警鐘を鳴らす政治家も官僚もまずいない。
主要ニュースメディアも大きくは報じない。
中国側の侵略行動も一般の国民にとっては、まさに日常茶飯事のようにしか受け取られない、という状況だといえよう。
だが日本の領土がすでに侵食され、略奪されかねないのだ。
しかも尖閣をめぐる日本と中国の対立は、アメリカと中国との全面戦争にまでエスカレートする危険をも秘めている。
北朝鮮の核やミサイルの将来的な危険とは異なり、日本にとってそのホコ先がぐさりと身体の一部にすでに食い込んだ危機なのである。
北朝鮮の脅威よりも、もっと目前に迫った、もっと実害や危機の認定が容易な、まさに“国難”なのである。
尖閣危機に光を当て、その重大性を指摘したのはアメリカ側の「米中経済安保調査委員会」という組織である。
この稿続く。