尖閣占拠計画の衝撃――中国の施政権否定と日米同盟への影響

米議会系報告は、中国が尖閣諸島の施政権を日本から奪ったと認識し、軍事占拠まで計画している可能性を指摘する。施政権否定は日米安保条約の適用前提を揺るがし、日本の安全保障に重大な影響を与えかねない。尖閣危機の本質を浮き彫りにする重要な警告である。

中国側が尖閣諸島の軍事的な占拠までを具体的に計画していることをも指摘していたのだ。
2018-01-17
以下は前章の続きである。
中国側の計画。
以上が、尖閣危機に対するアメリカ側の認識や懸念の全体像である。
そのなかでも、中国側が尖閣諸島の施政権をすでに日本側から奪ったと考えている、という指摘は日本にとって意味が重い。
施政権とは、簡単にいえば統治権のことである。
国家の主権を支える法律の施行がきちんといきわたっている状態ともいえよう。
つまりは日本国の行政、立法、司法の三権が尖閣諸島にも及んでいることが「日本が尖閣諸島の施政権を保有する」という状態を指すのだろう。
ところが、尖閣周辺の日本領海にはもう中国の艦艇が自由に出入りしている。
島の上には日本側の公共施設も人間もいない。
となると中国側から出てくると予測される「尖閣諸島の施政権は日本側にはない」という宣言も、ある程度の説得力を帯びかねない。
そんな宣言が国際的にも広まるとなると、日本の防衛にも重大な影響が広がる。
日米安全保障条約に基づくアメリカの共同防衛の誓約が尖閣には適用されないという解釈も成り立ち得るからだ。
中国は当然、そうした「解釈」を喧伝するだろう。
周知のように日米安全保障条約は「日本国の施政の下にある領域」への武力攻撃について、日本とアメリカが「共通の危険に対処するように行動することを宣言する」と明記している。
アメリカが集団的自衛権を行使して、日本を防衛する義務を負うというわけだ。
つまり、中国が尖閣に武力攻撃をかけてくれば、アメリカは日本を支援して中国軍と戦うという約束である。
アメリカの歴代政権はトランプ現政権も含めて、尖閣諸島が日米安保条約の適用対象になることを宣言してきた。
その前提は尖閣諸島が日本の施政下にあるという判定だった。
中国の日本施政権否定は、その前提を崩す可能性を少なくとも理論的には有しているのである。
米中経済安保調査委員会の同年次報告書は、さらに日本側への重大な警告となる動きを明らかにしていた。
中国側が尖閣諸島の軍事的な占拠までを具体的に計画していることをも指摘していたのだ。
この点こそ日本側にとっては最大の注意を向けるべき尖閣危機の側面だろう。
この稿続く。

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