中国資本への反発拡大――パキスタンさえ「ノー」と言った世界の変化
中国の巨額投資と「一帯一路」構想に対し、ネパール、EU、ミャンマー、パキスタンなど世界各国で警戒と反発が広がっている。中国依存度の高い国ですら計画を拒否し始めた現実を通じ、中国の経済覇権の実態と国際社会の変化を論じる。
中国依存度の高いパキスタンでさえ中国のプロジェクトに「ノー」と言ったことに世界は驚いた。
2018-01-18
以下は前章の続きである。
見出し以外の文中強調は私。
昨年11月、25億ドル(約2750億円)に上るネパールのブディガンダキ水力発電所の建設計画が突然、キャンセルされた。
利益の殆んど全てが中国企業に吸い取られ、ネパールは得るものがないという理由からだった。
欧州連合(EU)は、中国企業によるハンガリーからセルビアに至る高速鉄道建設計画に関して、ハンガリーがEUのルールに反して中国企業と契約したとして調査を開始、事業は中断に追い込まれた。
破綻への道
親中派のアウン・サン・スー・チー氏が率いるミャンマーでも異変が起きている。
中国企業が取りかかった30億ドル規模の石油精製工場建設を、ミャンマー側か拒否したのだ。
パキスタンは中国を「鉄の兄貴」(Iron Brother)と呼ぶが、中国が力を入れていたディアメル・バシャ・ダム建設計画を中断した。
中国がダムの所有権を要求したのが理由だ。
同ダムは、パキスタンとインドが領有権を争う戦略的に重要な地域、カシミール地方に立地するが、これを中国は自国領にしようと企んだと思われる。
トランプ米大統領が今年1月4日に軍事援助を停止したこともあり、パキスタンは中国への傾斜を強めるが、彼らは元々中国への依存度が高く、総額600億ドル(約6兆6000億円)のさまざまなプロジェクトを組んでいる。
その中で中断されたのは前述のダムだけではない。
ホルムズ海峡の出入口を睨むグワダル港は事実上中国海軍の拠点にされたが、そこに空港建設計画が浮上した。
加えて中国西部からカラチを経てグワダルに至る鉄道建設も計画されていた。
だが、いずれの計画についても昨年11月、両国の話し合いは物別れに終わった。
中国依存度の高いパキスタンでさえ中国のプロジェクトに「ノー」と言ったことに世界は驚いた。
この稿続く。