サンフランシスコ慰安婦像問題の核心—地方自治体外交の限界と国家の責務—
サンフランシスコにおける慰安婦像設置の背景と政治構造を分析し、地方自治体では対応できない外交問題の現実を指摘。
日本政府と外務省の情報収集・対外広報の重要性を提起する論考。
サンフランシスコ市は中国・韓国系アメリカ人の割合が20%以上で政治的影響力が強く、
2018-01-19
以下は前章の続きである。
「遺憾の意」では意味がない。
-6月に就任する予定の次の市長が決まり次第、通告を行なうとのことですが、仮に新市長が態度を改めたり、再撤回もありうるのでしょうか。
吉村。
もちろん次の市長が誰になるかはサンフランシスコ市民の選択次第なので、明言はできません。
しかし基本的に、私は方針の転換には期待をしていません。
慰安婦像と碑文設置の背景にあるのは、中国系の団体によるロビー活動です。
リー市長も中国系(中国名・李孟賢)ですが、サンフランシスコ市では主に議会が主体となって慰安婦像の設置を進めています。
サンフランシスコ市は中国・韓国系アメリカ人の割合が20%以上で政治的影響力が強く、サンフランシスコ市議会の全11人の議員中、4人が中国・韓国系の議員です。
さらに、大阪市のような地方自治体には外交に関する予算がありませんから、いま世界各地で行なわれている慰安婦像の設置に対して具体的な対応を図るのは本来、国の仕事です。
政府・外務省、現地の領事館・大使館が情報収集を図り、毅然とした対応と行動を取ることが必要だと思います。
どれほど「遺憾の意を表します」「断固として抗議します」といったところで、現実に慰安婦像の設置を止めなければ意味がありません。初動が大切です。
その意味で残念ながら今回、サンフランシスコ市の行動に関して現地の総領事館が的確に情報収集を行なっていたとは思えませんし、大阪市の求めに応じて適切な情報提供をいただくようなことはありませんでした。
日本の立場を主張するための情報収集や広報活動について、疑問が残りました。
この稿続く。