「軍隊と性」をめぐる歴史認識—元軍医証言と国際比較から考える
産経新聞特集は、元軍医の証言や各国の戦争史を踏まえ、「軍隊と性」の問題を歴史的文脈の中で再考する。
慰安婦問題をめぐる議論は、日本だけでなく国際的な戦争史の中で検証されるべきだと提起する。
(張吉秀監督)は、朝鮮戦争を舞台に米軍兵士を相手にする韓国人売春婦を主人公にした名作だ。
2018-01-29
以下は前章の続きである。
■日本への非難は不当
「軍隊と性」の問題は、今さら言うまでもなく、古今東西、あらゆるところに存在している。
1991年の韓国映画『銀馬将軍は来なかった』(張吉秀監督)は、朝鮮戦争を舞台に米軍兵士を相手にする韓国人売春婦を主人公にした名作だ。
韓国軍は、ベトナム戦争に参加し、現地女性との間に「ライダイハン」と呼ばれる多数の混血児をもうけ、国際問題を起こしている。
先の大戦の終戦直前、満州(現中国東北部)へなだれ込んできたソ連軍(当時)は、邦人女性を見境なくレイプし、塗炭の苦しみを味わわせた…。
日本軍に慰安婦は存在した。
ただし、高地の証言にあるように民間業者が連れてきた慰安婦を使って商売をし、軍はそれを監督した。
それ以下でもそれ以上でもない。
もとより、恥ずべきダークサイドの問題であり、大っぴらに語るべき話ではない。
80年代以降、朝日新聞や一部の日本の政治家、知識人らが火をつけて煽るまでは韓国でもそうだった。
悲惨な話だが、貧しい家の娘たちがお金のために身を売られ、慰安婦となったのは朝鮮人だけではない。
日本人にもいた。
平壌一中の同窓会誌のように日本統治時代の朝鮮で過ごした当事者から、真実を求める声が上がったことは遅まきながら評価していい。他の旧制中学の同窓会からも追随する動きが出てきている。
実は高地が慰安婦のことを書いたのは今回の同窓会誌が初めてではない。
2000年代後半に自身のブログでも軍医としての思い出を何度かに分けてつづっている。
「子や孫のためですよ。私も年をとって記憶が薄れてゆく。ちゃんと戦争のこと、自分のことを書き残しておきたいと思って」
日本人によって世界にばらまかれたデタラメ、毀損された名誉は、日本人自身の手によって打ち消す、取り返すしかない。=敬称駱 (文化部編集委員 喜多由浩)