加計問題初動対応の誤算—「官邸最高レベル」文書をめぐる真相
加計学園問題が長期化した背景には政府側の初期対応の誤りもあったとする当事者の回想。
「総理のご意向」文書報道と政治・行政手続きの実態を検証する章。
関係者は「やっぱり官邸の最高レベルは萩生田だったか」などと冗談を言って笑っていたほどです。
2018-01-30。
以下は前章の続きである。
今治市で獣医学部を新設する加計学園の加計孝太郎理事長と安倍総理が、たまたま親しかったというただ一点で問題視され、よもや半年以上も国会で大騒ぎされることになるとは思いもよりませんでした。
振り返ってみれば、私を含む政府側が初期対応を間違えたのも事実です。
当時、私は官房副長官でしたが、加計問題がクローズアップされ始めた当初、野党があまりに無理な筋から的外れなことを言っていたため、私たちが「彼らはいったい何を言っているんだ」と木で鼻をくくったような答弁をしてしまったことは事実です。
しかしいまとなってみれば、目の前の野党議員に対してではなく、その先の国民に対して、これは疑惑などではない、ということをもう少し真摯に説明すべきでした。
裏を返せば、加計学園問題とはそれほどまでに、私たちがその申請と許認可の経緯に入り込んで何らかの意図的なごり押しができるようなシステムにはなっていない。
つまり、安倍総理が私的な関係性を持ち込んで、知人に有利になるよう、手心を加えられるような余地などないということが、民間有識者を含む関係者の共通認識だったのです。
そのため、朝日新聞が「決定的な証拠」であるかの如く報じた2017年5月17日付一面の「総理のご意向」文書についても、私たちは全く問題視していませんでした。
すでに4月の時点で、私が加計学園系列の千葉科学大学の名誉客員教授であることは報じられていましたから、この文書が出た時にも関係者は「やっぱり官邸の最高レベルは萩生田だったか」などと冗談を言って笑っていたほどです。
この稿続く。