日中外相会談の虚構――「平行線」のまま関係改善とする政府説明の危うさ

尖閣問題や邦人拘束などで対立が続く中、日中外相会談は実質的に「平行線」のままだったにもかかわらず、政府は関係改善を強調した。
食い違いを隠し、融和ムードのみを演出する外交姿勢は有害無益である。
真の関係改善には根本原因の解消と、率直な情報公開が不可欠だと論じる。

激しく応酬したなら、公表すればよい。食い違いを隠す配慮は有害無益である。
2018-01-31
以下は昨日の産経新聞の社説からである。
見出し以外の文中強調は私。
日中外相会談。
「平行線」なのに改善とは。
日本国民は最近の中国をどうみているか。
尖閣諸島や邦人拘束などの問題で、中国が横暴に振る舞っているのを憂慮する人は多い。
だからこそ、日中関係は冷え込んできたのである。
関係改善には、根本原因を取り除かなければならない。
ところが、訪中した河野太郎外相と相対した王毅外相ら中国側は、態度を改めるそぶりさえ見せなかった。
極めて残念である。
懸案は平行線のままなのに、日中関係は改善に向かっているとする政府の説明には、首をかしげる。
首脳の相互往来といった形式を整えるだけでは、真の友好に結び付かない点を考えてほしい。
外相会談では、安倍晋三首相と習近平国家主席の相互往来の推進や、朝鮮半島非核化への連携で一致した。
また、李克強首相との会談では、春ごろに日本での開催を目指す日中韓首脳会談について、出席に前向きな発言を得た。
首脳同士が顔を合わせ、率直に意見をかわす機会は必要だ。
だが、最近の対中外交は、その実現へ融和ムードを醸し出すことに労力を注ぎすぎていないか。
日中平和友好条約締結40年の節目となるが、最近の両国関係は「平和」や「友好」とはほど遠い。
外相会談では東シナ海を「平和・協力・友好の海」にするため努力することや、「互いに脅威にならない」精神を確認したというが、内実を伴うものなのか。
東シナ海に浮かぶ尖閣諸島は日本固有の領土である。
河野氏は中国原潜が尖閣沖の接続水域に潜ったまま航行した事件に抗議し、再発防止を求めた。
中国側から具体的な説明はなかったという。
中国が国際法を無視して人工島の軍事拠点化を進める南シナ海の問題についても、どれだけ話し合ったのかよくわからない。

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