ゴーン報道が暴いた欧州メディアの偏見と無理解—ルモンドと日本観

カルロス・ゴーン事件を巡るフランスおよび欧州メディア報道を検証。
ルモンド紙を含む報道の偏見、日本への理解不足、そしてグローバル化と報道姿勢の問題を論じる。
メディアに潜む疑似モラリズムと政治的偏向を考察する論考。

2019-01-09
日本人が高級紙と持ち上げるルモンド紙でさえ、長期の勾留を批判するのに、なんの関係もない福島第1原発を持ち出してきた。

私がイタリアと同様にフランスもとても愛していた人間である事を読者はご存知のとおりである。
ル・クレジオと私の因果関係については、私の周囲の人たちと具眼の士の読者の人たちは知ってのとおりである。

だが、先年、フランスのメディアが朝鮮半島由来の反日的な主張に基づき日本批判を展開した時、私は失望した。
今回のゴーンの件では、さらに強い違和感を覚えた。
なぜあのような人物を擁護するのか。

フランスの反応は支離滅裂に見える。
だが今回は冷静に一つ気づいた事がある。
私が知っているフランス人がそうなのではない。
洋の東西を問わず、メディアで生計を立てる人々に共通する疑似モラリズムと政治的偏向が存在するという事だ。

以下の産経抄にも明らかなように、不勉強で偏見に満ちた人物がメディアに存在している。

「フランスという国がどれほど日本に知られていないか、ご想像以上なのです。日本にはフランス文学についての本すらありません」。
著名な作家でもあった駐日フランス大使ポール・クローデルが本国に送った書簡である。
大正11年、外務大臣に広報活動の再編成を訴えたという。

「フランスの日本に対する無理解がここまでひどかったのかと思い知らされた」。
パリ支局長三井美奈記者が雑誌「正論」で嘆いている。

日産前会長カルロス・ゴーン容疑者逮捕をめぐる報道があまりにも酷いという。
日本人が高級紙と持ち上げるルモンド紙でさえ、長期勾留を批判するために福島第1原発を持ち出した。

「破滅的な原子力事故を起こした東京電力の指導者が獄中で暮らすことはなかった」と。
さらに「ゴーン容疑者は獄中で日本語を話すよう強要される」との記述まであった。

本人は東京地裁で英語により無罪を主張した。
体重減少の報道もあり、仏メディアの日本批判は今後も激しくなる可能性がある。

同誌掲載の福井義高教授の論考も興味深い。
欧米経営者の高額報酬はグローバル化の結果であり、軽視された大衆が各地で反乱を起こしているという。

黄色いベスト運動への支持の高さもそれで理解できる。
なぜ日本で同様の暴動が起きないのか。
それを取材すれば有意義な記事になるだろう。

もちろん余計なお世話である。

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