日韓関係の現実と日本の弱体化 — 大国のリアリズムを欠いた日本の報道

神戸大学大学院法学研究科教授・簑原俊洋の産経新聞論文を引用し、韓国の対日政策の変化と、日本の安全保障政策の弱体化がもたらした日韓関係の悪化を論じる。
国際政治が再びパワーを基軸とする時代に入る中、日本のメディアはポピュリズムを排し、大国にふさわしいリアリズムに基づく報道を行うべきだと提言する。

2019-02-10.
日本の各紙はこうした冷徹な現実を直視した上で、ホピュリスティックな姿勢を排し、大国にふさわしいリアリズムに根ざした報道に徹してほしい。
以下は今日の産経新聞に掲載された神戸大学大学院法学研究科教授簑原俊洋の論文からの抜粋である。
前文省略。
文在寅大統領によれば、これらの出来事は「不幸な歴史の結果」らしいが、普通に考えれば一連の問題は韓国の常識の欠如に起因する。
昭和40(1965)年の日韓基本条約などによる合意を順守せずに国際法をないがしろにし、レーダー照射をめぐっては言い訳を二転三転させ、責任を日本に転嫁する韓国の不誠実さに辟易とするのは筆者だけではあるまい。
今までは竹島の不法占拠、歴史認識、慰安婦像建立などの問題でぎくしゃくしても、両国の安全保障関係が動じることはなかった。
それが、文在寅政権が誕生して北朝鮮との接近に前のめりになった途端、好都合な政治的道具としての反日ではなく、南北間の絆を訴える外交手段としての反日へと性質が変容した。
ここにきて初めて、日韓の軍事関係も棄損するという由々しき事態が生じたのである。
当然だが、日韓の軋轢を深める韓国政府の対応への日本の各紙の見解は軒並み手厳しい。
中略。
また人口や国内総生産などが示す日韓の国家の規模は相当違うにもかかわらず、国防費においてさして大きな開きはない。
つまり、韓国の方が先に対日関係に見切りをつけ、さしてペナルティーはないと考えているからこそ、一連の暴挙に平然と打って出られたのだ。
裏を返せば、日本がアジアにおいて長らく低迷し影響力が低下した代償でもある。
いまだ憲法も改正できず専守防衛に徹する日本。
国連平和維持活動(PKO)では他国軍に守られ、安全保障領域において大国らしい行動を一切取ってこなかった日本を韓国がなめ切ってもなんら驚きはなかろう。
これは中露などの対日姿勢とも共通する。
アメリカの影響力が徐々に減退していく中で、今後の国際政治は以前にも増してパワーの概念がより幅を利かせるようになっていく。
日本の各紙はこうした冷徹な現実を直視した上で、ホピュリスティックな姿勢を排し、大国にふさわしいリアリズムに根ざした報道に徹してほしい。

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