中国宇宙戦略と人民解放軍の能力 ― 国防を忘れた日本への警鐘。

2019年2月1日に書かれた本稿は、中国人民解放軍(PLA)の宇宙・衛星能力とその軍事戦略を取り上げる。
北斗衛星網や宇宙ステーション「天宮」を軸とした中国の長期的国家戦略を分析し、米海軍を標的とする対艦弾道ミサイル能力の背景にある探知能力にも言及する。
宇宙分野での中国の台頭と、日本が国防を軽視してきた現状への警鐘を鳴らす論考である。

2019-02-01
軍事的要素を忌み嫌い、国防についてまともに考えもしない日本は、自力で自国を守れない。
そんな国など、国家とは言えないということを肝に銘じたい。
以下は前章の続きである。
人民解放軍の能力。
全世界、全天候型の地球観測システムの運用について、中国は民間用の衛星網だと説明する。
北斗は測位精度が2.5メートル程度とされており、アメリカの衛星に較べれば、能力は落ちる。
中国の発表をどのように読み解くのがよいのか。
小原氏の説明だ。
「民間用の衛星網とされる北斗より、地上にある物体の探知、識別能力を非常に重視している中国人民解放軍(PLA)の衛星の能力はもっと高いと見てよいと思います。
PLAの太平洋上における探知範囲は500万平方㌔に及ぶと、これは彼ら自身が喧伝しています。
それほど広い海域で、米海軍の艦船を対艦弾道ミサイルで攻撃するのに必要な探知能力を身につけたと言っているわけです」。
一群の北斗打ち上げは20年には達成される。
それをさらに強化するのが、22年までに完成予定の中国独自の宇宙ステーション「天宮」だ。
有人で長期滞在型の宇宙ステーションを中国が完成させる構えなのに対して、日米露など15力国が参加する国際宇宙ステーション(ISS)の先行きは不安である。
トランプ米政権は25年までに資金拠出を打ち切り、ISSの運営を民間に移転するとしている。
ロシアはロシア単独の宇宙ステーション建設を模索中で、欧州は宇宙計画を継続する方向だ。
ISSがどのような形で継続されるのか、また、各国の宇宙政策の形もまだ見えてこない。
ひとつ明確なのは、中国だけが宇宙ステーションを持ち宇宙を独占するという最悪の状況は避けなければならないということだ。
中国の戦略の息の長さ、継続する国家の意志の、真の脅威を実感する。
軍事的要素を忌み嫌い、国防についてまともに考えもしない日本は、自力で自国を守れない。
そんな国など、国家とは言えないということを肝に銘じたい。

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