中国共産党は『1984年』の警察国家を現実化した。バノンが語る対中戦略とアジア太平洋の命運。
月刊Hanada掲載のスティーブン・バノン独占インタビューをもとに、中国共産党によるハイテク専制国家化、南シナ海の軍事拠点化、そしてトランプ政権の対中戦略を論じる。
自由民主主義と中国の全体主義体制の対立が、アジア太平洋の将来を左右する重大局面に入っていることを示す重要な証言である。
2019-03-29
中国共産党の過激派幹部は、ジョージ・オーウェルの『1984年』的警察国家を現実化しました。
以下は月刊誌Hanada今月号、「ファーウェイの仮面を剥ぐ トランプの対中戦略と安倍首相」独占インタビュー。
スティーブン・バノン米大統領前首席戦略官兼上級顧問。
聞き手:河井克行。
自民党総裁外交特別補佐。
衆議院議員。
からの抜粋である。
見出し以外の文中強調は私。
ハイテク専制国家が勝つか。
河井。
自由民主主義システムは、中国のハイテク専制システムに勝てるのでしょうか?
バノン。
トランプ大統領は制裁を延期し、米中は再び交渉の席につきましたが、この結末がどうなるか、誰にもわかりません。
米中間の議論は、二つの根本的に異なるシステム間の巨大な権力闘争にほかならない。
個人の自由や権利を尊重し、市民としての価値や責任を重視する西側の自由民主主義に対峙するのが、中国の全体主義システムです。
中国人は歴史上、もっとも抑圧されてきた人々であり、しかも技術の進歩で状況は悪化する一方です。
中国共産党の過激派幹部は、ジョージ・オーウェルの『1984年』的警察国家を現実化しました。
鄧小平とそれ以後の集団指導体制の指導者たちは、西側と協力しつつウィンウィンの関係を築きました。
しかし習近平とその取り巻きは、中国をまったく別の道に進めたと思います。
南シナ海を見れば、彼らが島々に軍事基地を建設する目的は明らかに、有事の際、不沈空母や航空基地として南シナ海を封鎖し、全域を中国の内海にするためです。
もしそれが実現したら、日本、台湾、韓国の状況は根本的に変化してしまいますが、トランプ大統領の交渉がうまくいけば止めることができるのです。
人々はトランプ大統領を孤立主義者と批判しますが、長く海外で仕事をしてきた私から見て、過去、トランプ大統領ほどアジア太平洋地域に積極的に関与した米国大統領はいません。
これほど、持てる政治的資源のすべてを太平洋の平和に注いだ指導者はいませんでした。
そもそもトランプ大統領の外交政策が強硬に見えるのは、「アメリカ・ファースト」が誤解されているからです。
米国はいま、アジア太平洋の安全保障に過去にないほど積極的に関与しており、それが交渉に表れました。
私は自分が生きているうちに、米国外交がこれほど太平洋に注力するとは思っていませんでした。
2001年の同時多発テロで、アメリカ人の関心はイスラム過激派と中東に集中したからです。
オバマ大統領は「アジア回帰」を模索しましたが、口先だけで終わり、中国が南シナ海の島々を軍事基地化するのを放置しました。
しかしトランプ大統領のおかげで、米国は根本的に変化し、本当の問題は中国だと認識するようになりました。
先ほども申し上げたとおり、北朝鮮も中国問題の一部です。
管見の限り、トランプ大統領は国境の壁建設よりも、むしろ対中国、北朝鮮に多くの政治的資本を投入しています。
ここからも、太平洋の同盟諸国と緊密な関係を続けることが、米国民にとっての自由と繁栄に繋がると大統領が考えていることがわかります。
米国が太平洋国家としてのパワーを維持するためには、日本などアジア同盟諸国の存在が不可欠なのです。
この稿続く。