国軍なき国家などありえない。加地伸行が提言する憲法改正戦略と国防の現実。

月刊Hanada掲載の加地伸行の論文をもとに、憲法改正と自衛隊の正式な位置づけの必要性を論じる。
国軍を持たない国家は存在しえないという根本認識のもと、国民投票を実現するための政治戦略と日本の安全保障問題を考察する。

2019-03-29
国軍なき国冢などありえない。
以下は月刊誌Hanada今月号の巻頭を飾る加地伸行の論文からである。
文中強調は私。
老生、風邪に罹り、これまた激しい咳とあいなった。
みなから咳を嫌われ、だれも会ってくれぬ。
やむをえず、この二週間、家に籠ってテレビ漬けの日々。
番組の中心は国会中継。
意外なおもしろさがあった。
野党の質問である。
何かおもしろかったかと言えば、頭の悪さを示してやまなかった点だ。
質問というのは、本質をずばり突くことであるべきなのだ。
にもかかわらず、野党の質問は、勿体をつけて、遠まわしの質問に始まり、少しづつ本質に近づこうとするのが多い。
これは時代遅れである。
そのスタイルはテレビが登場する前のものである。
それに気づいていない。
すなわち、戦前の議会の〈大演説〉スタイルの変形、あるいはその延長だ。
テレビ時代の今は、具体的状況を取りあげ、そこから問題の本質にずばっと斬りこんでゆくテンポのはやさや内容の具体性を示さなくては、だれも相手にしてくれぬわ。
となると、憲法改正への道は、まさにテレビ時代に合う形で人々に訴えてゆく方針・技術が求められよう。
すなわち与党の戦略体系が相当にしっかりとした骨太のものでなくてはならない。
何が起ろうと微動だにしない信念の下。
しかし、近頃の与党の様子を見るに、憲法改正への歩みが止っているように見える。
もちろん、老生のごとき、部外者ゆえにそう見えるだけかも知れないが。
憲法改正の最大目的は、もちろん自衛隊の正式な承認と位置づけとである。
国軍なき国冢などありえない。
その意味では国民的理解を得られる可能性は大である。
しかし、世の中、そう簡単に事が運ぶわけではない。
いわゆる護憲派なる連中が、全力を挙げて反対運動をすることであろう。
おそらくその抵抗は必至のものであろう。
特定政党の活動はもちろんのこと、メディアの大半も反対の方向である。
そしてほとんど毎日のように反対デモが起り、メディアに乗って多数の大学教員が反対論を並べることであろう。
眼に見えている。
それを見、聞きした一般人の多くは、反対ムードに乗る可能性がある。
憲法改正、自衛隊の明確な位置づけという憲法改正論は、今だと国民投票で必ずしも勝つとは限らない。
そういう不安に対して政府・与党に確乎とした戦略が果してあるのだろうか。
いささか疑問を感じている。
では、方法はまったくないのか。
大丈夫、ある。
以下に述べる戦略を採用するならば、確実に国民投票に成功できる。
それはこうである。
自衛隊の憲法上の存在確立という大目的を達するためには、左筋が要求するものの一部を認め、そのことを同時に定めることである。
すなわち左筋がいま要求しているもので無難なものは、婚姻関連すなわち同性同志の縁組である。
現行憲法二四条は「婚姻は両性の合意のみによって成立し……」とある。
この「婚姻」の場合、「婚」は男、「姻」は女を表わすので「婚姻」という語は使えない。
そこでしばらく「縁組」という語を使ってみよう。
文章は十分に工夫して策定すればいい。
要は、同性同志の縁組を認める憲法改正である。
これは、左筋が最も求めるものである。
すなわち、①憲法第九条における自衛隊の国軍としての承認、そして②第二四条における「婚姻」を「縁組」として承認、この二点を憲法改正として提案してはどうか。
①は右筋、②は左筋の賛成を得ることができる。
それならば、国民投票においてほぼ確実に多数決を得られるであろう。
縁組は重要問題だが、それに比べて、目下、緊急の大問題は、国防である。
国防なくして縁組は成り立たないではないか。
古人曰く、事は、予め「十分に準備」すれば、則ち立ち。
予めせざれば、則ち廃せらる(失敗する)。

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