根絶政策との決別を—自衛隊を明記しない憲法を放置してよいのか
本稿は、米国の政治学者サミュエル・ハンチントンの『軍人と国家』を踏まえ、戦後日本が米国の「根絶政策」の下で軍事力と軍事制度を徹底的に排除されてきた現実を問うている。
侵略戦争の否認と国防組織の明記を両立させた韓国憲法と対比しつつ、日本国民の大多数が支持する自衛隊が現行憲法に明記されていない異常を鋭く突く一文である。
日本が真に独立国家として立つために、憲法と安全保障の根本を見直す必要性を訴える重要な論考である。
2019-05-26
現行憲法には、日本国民の9割以上が支持する自衛隊が明記されていないが、この状態を放置し続けて気にならないのは、米国による根絶政策に70年間もしがみついてきた結果なのか
米国を代表する政治学者、サミュエル・ハンチントンの名著『軍人と国家』によると、米国の軍事政策は。
と題して、2016-12-06に発信した章が、今朝、リアルタイムベスト10に入っていた。
*櫻井よしこさんが日本の宝物であることを再認識する論文である。*
以下が昨日産経新聞のフロントページに掲載された櫻井よしこ氏の論文である。
見出し以外の文中強調は私。
根絶政策との決別を。
米国を代表する政治学者、サミュエル・ハンチントンの名著『軍人と国家』によると、米国の軍事政策は「根絶の政策」と「変形の政策」に集約される。
前者は軍事力や軍事制度を排除させる政策。
後者は自由主義的方向に沿って軍事体制を作り直させる政策だと分析した。
敗戦した日本に対して米国は最も極端な根絶政策を取ったとハンチントンは喝破し、「陸海空軍の保有を禁じ、国策の手段として戦争に訴えることを放棄」させた憲法9条2項に言及した。
日本の課題はいかにしてこの根絶政策から脱却するかである。
国防の責務に耐え得る十分な軍事力の保有と、軍国主義への暴走を抑制する文民統治の維持という、二つの課題をハンチントンが指摘したのは、40年も前のことだ。
韓国でさえ、氏が指摘した、国家に必須の二要素を備えている。
すなわち大韓民国憲法第5条において、明確に侵略戦争を否認し、同時に「国軍は、国家の安全保障および国土防衛の神聖なる義務を遂行することを使命」とすると定めている。
日本は韓国にも国際社会にも、遠く引き離されたままだが、それでよいのか。
現行憲法には、日本国民の9割以上が支持する自衛隊が明記されていないが、この状態を放置し続けて気にならないのは、米国による根絶政策に70年間もしがみついてきた結果なのか。
日本の後ろ盾となってきた米国の変化が次期大統領、ドナルド・トランプ氏の下で加速中だ。
この稿続く。