消費増税という非常識を止めよ。令和こそ経済政策の王道に立ち返る時である。

2019年5月7日に記した本稿は、デフレ下での消費増税という平成日本の経済政策の根本的な誤りを批判し、令和の時代こそ増税凍結と日本経済再生を正面から宣言すべきだと論じた文章である。
田村秀男氏の論考を踏まえつつ、GDPデフレーター、OECD見通し、政府債務、日銀短観などをめぐる議論を検証し、財務省主導の増税路線が日本経済に与えてきた深刻な悪影響を指摘している。

2019-05-07
それを基準にする経済政策もまた無定見で、現場に混乱を招く。
安倍首相は正々堂々とデフレが続く中での消費増税は避け、日本経済再生に邁進すると宣言すればよいだけだ

産経新聞の経済担当記者である田村秀男は財務省の受け売りの経済論だけを振り回す人間達が殆どの所謂経済評論家達の中で、稀有に、正しい経済論を記者としての当然な勉強と研鑽を積んだ日々の中で、所謂学者に負けない検証を続け、見事に正しい経済論を発表し続けている。
今や、ノーベル賞受賞経済学者達と同様・同等の見識を持っている経済界における日本の宝物の一人である。
首相は堂々と増税凍結宣言を
令和こそは経済政策の王道回帰
「令和」時代が始まった。
「平成」のゼロ%台の超低経済成長モードを変えたいが、下手な秘策なぞ無用。
経済政策の王道に回帰すればよいだけだ。
平成の経済政策は非常識がマンネリ化していた。
代表例はデフレ圧力下での消費税増税である。
平成9年度、バブル崩壊後遺症のために、連続2年で国内総生産(GDP)デフレーター(実体経済全体のインフレ率)が2年連続でマイナスだったのに、橋本龍太郎政権は消費税率を3%から5%に引き上げ、家計に負担を強いた。
消費税増税はGDPの6割を占める家計消費を萎縮させる。
その結果、日本経済はデフレが慢性化した。
デフレは物価が下がり続ける状態を指すが、勤労者や子育て世代にとって痛いのは、所得水準が物価下落幅以上に下がり続けることだ。
年収が平均よりも低い未婚男性は先行き不安から結婚をためらう。
デフレヘの認識が甘い旧民主党の野田佳彦政権は財務官僚が仕掛けた通り、自民、公明両党を巻き込んで消費税を2段階で引き上げる3党合意に踏み込んだ。
第2次安倍晋三政権は「脱デフレ」を掲げたはずなのに、3党合意通り26年度に消費税率を8%に引き上げた。
結果はやはりデフレ圧力の高まりである。
安倍首相は危機感を抱き消費税率10%への引き上げは2度延期したが、今年10月1日の予定通りの実施は繰り返し表明してきた。
消費税増税に伴う税収増分の一部を子育て・教育支援の財源に回すという政治的動機に駆られたのだ。
各界多数派は、増税は財政収支改善と社会保障財源確保のためだと言い、デフレ効果をまず気にしない。
景気への悪影響は短期的で、補正予算等による一時的な財政支出拡大によって相殺されると言い続けている。
しかし、その場しのぎの財政出動は事業の継続性と予見性に欠け、持続成長とは無縁で債務を膨らませる。
貴重な血税を無駄にする。
経済政策の名に値しない。
なのに、平成時代では同じ繰り返しだ。
帰結はどうか。
本グラフは世界最大のシンクタンクと称される経済協力開発機構(OECD、本部パリ)の経済アウトルックーデータによる。
9年度以降、日本の実質経済成長率はゼロ・コンマ%台、政府債務のGDP比は減るどころか上昇の一途である。
アウトルックは令和2(2020)年までを見通しており、消費税率10%実施も織り込んだ。
成長率は相変わらず下向き、政府債務はさらに悪化する。
しかも、日本の成長率は米欧や韓国など一部新興国を含めたOECD加盟国中、どん尻が定位置である。
令和の出だしは何とも危うい。
想像してもみよ、新興国との成長率格差が続けば、将来は日本の若者が中国や韓国に就職先を求める羽目になるだろう。
不肖、拙論は全国紙ではただ一人の増税反対論で一貫してきた。
消費税増税は財務省をはじめとする官僚の権限強化以外、何一つ国民経済にとってよいことがないことをデータで立証しても、「でも、やっぱり消費税増税は避けられませんよ」と周りの人たちは反応する。
恐るべき「空気」である。
OECDしかりである。
上記の経済見通しを引っ提げて4月中旬に来日したグリアOECD事務総長は消費税率を最大26%まで引き上げよ、と対日勧告した。
グリア氏はメキシコ財務相時代、放漫財政のために対外債務返済不能に陥った同国で徹底した緊縮財政を断行し、国際金融界から高く評価されてOECDトップに抜擢された人物だ。
メキシコのやり方を、世界最大の債権国で、きまじめで放漫さを嫌う日本にご託宣とは噴飯ものだが、不可解なことにメディアは「財政健全化には消費税26%も」(4月15日付朝日新聞デジタル)と素直に受け止める。
日本ではデフレとゼロ%成長の中の大型増税断行というトンデモ論が何の抵抗もなくまかり通る。
事なかれ主義の国際機関官僚はそれを踏襲するだけだ。
さすがに、消費税増税については、安倍首相周辺で慎重論がようやく出始めた。
自民党の萩生田光一幹事長代行が4月18日に「景気はちょっと落ちている。6月の日銀短観で、この先は危ないと見えてきたら、崖に向かってみんなを連れて行くわけにはいかない。違う展開はある」と増税先送りを示唆したのだ。
だが、日銀短観は一時点での瞬間予想にすぎない。
それを基準にする経済政策もまた無定見で、現場に混乱を招く。
安倍首相は正々堂々とデフレが続く中での消費増税は避け、日本経済再生に邁進すると宣言すればよいだけだ。

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