SNSは現代の奇兵隊か。—朝日・毎日・ネトサヨが連動し拡散する糾弾システムの正体—
2019年6月29日執筆。
月刊誌WiLL8月号掲載の高山正之氏とKadota Ryusho氏の対談をもとに、SNS時代における新聞批判、ネット上の拡散構造、そして朝日・毎日とネトサヨの連動による糾弾システムの実態を論じる。
トランプ大統領との握手をめぐる騒動、新潮45休刊に至る典型的手法、デモ動員のネットプリント活用までを具体的に示し、現代日本の言論空間における組織的世論操作を鋭く告発する文章である。
2019-06-29
彼らはすべて連動していて、かつシステム化しています。
手ぶらでデモに行っても、近くのコンビニに寄って、指定されたネットプリントの予約番号を入力すると、デモ用のチラシが
以下は月刊誌WiLL8月号に「新聞という病、SNSで暴露された朝日の“赤っ恥”」と題して掲載された高山正之とKadota Ryushoの対談特集からである。
SNSは現代の「奇兵隊」か。
たとえ小さき声でも団結すれば大きな潮流が生まれる。
トランプと握手。
高山
門田さんの最新刊『新聞という病』(産経セレクト)を読みました。
新聞批判の本はいろいろあるけど、その多くは部分照射でしかない。
門田さんのように、これだけ真剣に大声で新聞の問題を列挙してもらえれば、読者の心に響くんじゃないかな。
すべて本質を突いている。
門田
メディア評論の第一人者に、そこまで言っていただけるとは光栄です。
高山
何せ門田さんは国技館での大音声で、トランプと握手までした人ですから(笑)。
門田
その後のバッシングがひどいんですよ。
「トランプ大統領が大相撲千秋楽を観戦」と産経新聞がスクープしたのは四月十二日。
その記事を見た瞬間、慈恵医大相撲部出身の知人・富家孝医師に連絡し、「マス席なんとかなりませんか」と。
そしたら「わかった」と。
とは言え、さすがに今回は大変だったようで、「いつものところは確保できなかったけど、なんとか押さえたよ」と。
そこで常々、お世話になっている金美齢さんと櫻井よしこさんをご招待したのです。
行ってみたら、通路の横(笑)。
あまりいい席とは言えませんでした。
でも、待っているうちに、警備の数がどんどん増えてきた。
まさか……「ここをトランプ大統領は通るのですか」と聞いたら「通ります」と言う。
トランプ大統領が表彰を終えて帰る時、「ミスター・プレジデント!」と大声で叫びました。
ほかの人も声をかけていましたが、私の声が一番大きかったようです(笑)。
声が聞こえたのか、横にいた安倍さんが我々のほうを見て、「どうぞ」とトランプ大統領を促したのです。
高山
偶然の産物だったんだ。
計算されたようにテレビ画面の真正面に映っていたから、事前の準備があったかのように見えた。
門田
まったくありません。
トランプ大統領と握手した金さんは、とっさに英語で「私は台湾から来ました。
台湾をよろしくお願いします」と言ったのです。
これには驚きました。
心構えが違うなと。
私の場合、トランプ大統領が私の目を見て強く握手を交わしながら「サンキュー、サンキュー」と繰り返していましたが、「どうも、どうも」と答えるだけ一同爆笑)。
高山
どういう印象でしたか。
門田
大統領の手は大きくて、カサカサしていました。
野球の投手のような手です。
考えてみると、トランプ大統領はゴルフがシングルの腕前ですから、ゴルファーの手だったんですね。
大相撲が終わって、その後、金さん、櫻井さん、富家先生の四人で食事をしたんです。
お酒を飲んでいい気分でいたら、妻から電話が入ってきた。
「大変! ネットで、税金で招待されたって批判されていますよ」と(笑)。
要するに、安倍首相が自分の知り合いを国民の税金を使って招待して、トランプ大統領と握手させたと、流布されていたのです。
これをその場で伝えたら、皆さんが「門田さん、せっかくツイッターを始めたのだから、すぐ事実を書いて」と。
そこで、すぐさま「大相撲のマス席をやっと確保できたので、いつもお世話になっている金美齢さん、櫻井よしこさんをご招待して千秋楽を観戦した。
退場する時、安倍首相とトランプ大統領が近づいてきて、なんとお二人と握手。
隣にいた私も握手させてもらった。
サービス精神旺盛のトランプ氏らしい驚きのシーンだった。」(原文ママ)というツイートをしたら、少しは収まりました。
ところが、しばらくして「ウソを言うな。
こんな出来過ぎたことがあるわけがないだろう」という批判の声が止まない。
翌日、毎日新聞からも取材があり、「安倍首相のご招待ではなかったのでしょうか」と聞かれたのですが、もちろん違います。
高山
新聞社が、そんなことまで取材するのか、呆れてしまうよ。
ネトサヨの暗躍。
門田
毎日新聞のウェブ版のほうの取材でしたよ。
しかし、取材をするだけ毎日はマシだと思いました。
事情を縷々説明し、記事になっても印象操作をされる恐れがあるので「コメント部分はチェックさせてほしい」と条件をつけました。
一部削除されたものの、主旨を違えることはなかった。
でも、「トランプ氏握手の作家ら『ご招待』? 桜井よしこ氏ら『打ち合わせなし』と題し、三枚の写真と共に検証記事の形で掲載されました
(五月二十八日十一時三十九分)。
その写真は安倍首相が我々に気づき、トランプ大統領を促すシーン。
あくまで何かしらの“忖度”があったように匂わせたいんでしょう。
そもそも、私はジャーナリストですから、安倍首相に対しても虐待死問題や少子化問題、韓国への制裁問題……等々、是々非々でいつも痛烈に批判している。
そんな人間を招待するなんて、あり得ないですよ。
高山
この震源地はどこだろう。
門田
一般の人ですよ。
ツイッターで一斉に拡散されたのです。
ネット界ではネトウヨの言動がよく取り上げられますが、実はネトサヨのほうが圧倒的に数は多いのです。
彼らは糾弾の方法を熟知しています。
その典型的な手法で休刊に追い込まれたのが、さきの『新潮45』です。
最初にネトサヨがSNSで「問題だ、問題だ」と騒ぎ出す。
拡散していく中で、朝日と毎日がフォローして記事にする。
その記事で、より問題を大きくして、次にデモなどの直接行動がネットで呼びかけられて騒ぎを拡大していきます。
安保法制や特定秘密保護法のときなども、すべて同じ手法です。
高山
朝日や毎日の記者が一緒になって拡散している可能性もあると思う。
二〇一五年、朝日報道局員の冨永格がナチスの旗や旭日旗を掲げてデモをする人の写真とともに、英語・フランス語で「東京であった日本の国家主義者のデモ。
彼らは安倍首相と保守的な政権を支持している」という内容をツイートした。
誤解を招くと批判が殺到し、冨永はツイートを削除し、謝罪する羽目になった。
それと同根じゃありませんか。
門田
今回も朝日・長岡支局の記者が「ほう、安倍首相自ら握手するようにトランプ大統領を呼び寄せたのか「驚 安倍首相とお友達だといろんな優遇があるんですなあ。。。」(原文ママ)というツイートを流しました。
高山
一般の主婦のように登場してきて、実は活動家だったこともあるよね(笑)。
門田
彼らはすべて連動していて、かつシステム化しています。
手ぶらでデモに行っても、近くのコンビニに寄って、指定されたネットプリントの予約番号を入力すると、デモ用のチラシが何種類か出てきて、その中から好きなものを選んで、すぐ印刷できるシステムになっています。
高山
ハハン、それで「アベ政治を許さない」とか、いろいろな文言を掲げることができるわけか。
確かにネットでたとえば韓国問題が騒がれ始めると、いつの間にかネトサヨの意見にとって代わられるところがあるように思う。
朝日の「イェス・バット」記事のようで、ネット内でもどこか煮え切らない結論で終わる。
意図的に割り込んで水を差しているんでしょう。