言葉の端々に白人は常に正しい、我々がお前らを公正に判断してやるという倣慢さが惨むが、大野はひたすら迎合して頷く。

言葉の端々に白人は常に正しい、我々がお前らを公正に判断してやるという倣慢さが惨むが、大野はひたすら迎合して頷く。 
2019年04月30日
以下は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである高山正之の最新著作からである。
白人もウソをつく日韓の歴史
マンハッタンから汽車で二時間、鄙びた海辺にストーニーブルック大がある。 
これでもニューヨーク州立大の一つながら歴史も浅く知る人も少ない。 
ただ、そこで経済学を教えるノア・スミス先生は少しは知られていて、日本についても度々驚くような警句を発している。 
この前は日本の貧富の差が酷い、今や米国の上をいくと分析していた。 
この白人准教授は日本にはゴーンとか孫正義とか外人富豪は山といても日本人富豪はせいぜい舛添要一しかいないことを知らない。 
その舛添も好きに乗り回していた公用車の代金を請求され、間もなく富豪枠から外れてしまう。
一方の日本の貧乏人は凄い。
まじめに働くより高額の生活保護費が貰え、しかも国籍は問われない。 
米国ではオバマケアが難航しているが、日本の貧乏人には掛け金なしでも健康保険はつく。
在日など税金も払っていない外人永住者もただ貰える。 
おまけに先進医療国では60歳制限がつく透析などの高額医療も日本では制限なし。
日本の貧乏人は世界一リッチな貧乏人だ。 
日本では在日とか老人とか「弱者」が幅を利かせ国費を浪費し、金持ちにたかってともに貧しくなっている。
スミス先生はその実態を知らない。 
そんな無知な白人准教授が今度は「白人が植民地を搾取して豊かになり、植民地は貧しいまま残ったという説は大間違いだ」と言い出した。 
植民地支配は酷かった。
例えば「英国はインドで小麦畑を潰して阿片を植えさせた。結果、大飢饉を何度も招来し、インドは痩せ細り、もっと貧しくなっていった一方の英国は奪った富を元手にして「工業化を推し進め、蒸気機関を発明し、機械を機械化し、結果、もっと豊かな富を手に入れた」
そんな酷い目にあった「植民地が今は凄く豊かな国になった例もある」と言う。
どこかというと「韓国に台湾にシンガポール」だと。 
よく言う。韓国も台湾もスミス先生が規定する「白人が略奪した植民地」ではない。
日本が支配した。
そこでは搾取どころか逆に宗主国が学校を建て、医療環境を整え、インフラを整備し、発展を促した。 
「まだ古代だった韓国」(古田博司筑波大教授)が一足飛びで近代国家になれたのは日本の36年間の統治のおかげだった。
シンガポールも日本支配を受けて目覚め、日本を手本に自立できた。 
スミス先生がここで引用すべきは彼のコラムでも言及した「中央アフリカ」だろう。 
ここは金、タングステン、ウランなど豊富な地下資源があり、換金作物のコーヒーもよく実った。 
貧しくなりようもない国はベルギーが資源を奪ったうえ、住民のツチ族とフツ族を争わせ、今も血みどろの殺し合いが続く。
植民地支配が国も民も破壊した最高にいい見本だ。 
そういう自分たちの植民地経営は隠しておいて、日本の支配地に話を挿げ替えて自分たちの植民地支配を正当化するのは詐話師の口上だ。 
朝日新聞前論説主幹の大野博人が同じような白人の先生バラク・クシュナーを恭しく取り上げていた。 
米国出身のケンブリッジ大准教授は戦後の中国を論じ、蒋介石は「公正」で毛沢東は「道徳の分かる寛容さを示した」という。 
でも蒋介石は白人列強に媚び、アジアを裏切った男だ。 
毛沢東は「餓死者は畑の肥やしにいい」と言った人物だ。
ともに傲慢と虚飾が持ち味で、その延長線上に今のチベット、ウイグルの侵略や南沙侵奪がある。 
しかしそんな現実をこの先生は見ようとしない。 
いい中国に対して日本人は冷淡で日本支配時の協力者、漢奸の末路にも「関心も払わない」とヘンな因縁をつける。
言葉の端々に白人は常に正しい、我々がお前らを公正に判断してやるという倣慢さが滲むが、大野はひたすら迎合して頷く。 
因みに彼は英会話の先生として来日し,ラーメン丈化について『Slurp(ずるずる)』を書いている。
行間に傲慢と侮日がにじむ。 
そこを中国に見込まれたか「顧若鵬」の名を貰い、今は北京の宣伝屋を務める。 
朝日が白人崇拝するのは勝手だ。
だからと言って屑白人をさもよさそうに取り上げるのはやめよう。  
(2016年8月25日号)

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