2025.6.5 三保の松原と日本平――富士山、海、松、空、そしてドビュッシー|厳選111景
2025年6月5日。
三保の松原と日本平を歩いた。
三保の松原から仰ぐ富士山。
駿河湾の彼方に聳える富士山。
そして日本平から望む、雄大な富士山と駿河湾。
海へ向かって延びる松林。
海の青。
空と雲。
そして、そのすべてを見守るように聳える富士山。
この日に撮影した写真の中から、111枚を厳選して一つの作品にした。
冒頭に置いたのは、私の大好きなドビュッシーの《洋上の小舟》。
水の上を漂うようなその音楽が、三保の松原の海と松林、そしてその向こうに聳える富士山の世界へ静かに導いてくれる。
続くのは、ドビュッシー《前奏曲集 第1巻》第1曲《デルフィの舞姫たち》。
同じ一曲を、マウリツィオ・ポリーニ、ネルソン・フレーレ、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの順に聴く。
同じ楽譜でありながら、そこに現れる時間、光、静寂は、それぞれ全く異なる。
写真もまた同じである。
同じ富士山。
同じ海。
同じ松。
同じ空。
それでも、一瞬として同じ光景は存在しない。
三保の松原の松越しに姿を現す富士山。
駿河湾の青の向こうに浮かび上がる富士山。
日本平から、海と街を従えるように聳える富士山。
見る場所によって、光によって、雲によって、その姿は絶えず変わってゆく。
111枚の写真は、その日そこにあった風景を記録しただけのものではない。
音楽と写真が出会うことによって、過ぎ去った一日がもう一度、別の時間として現れる。
ドビュッシーの音楽には、水がある。
空気がある。
光がある。
そして沈黙がある。
その音楽の向こうに、富士山が静かに立っている。
これほどまでに日本を象徴する山と、三保の松原、日本平、そしてドビュッシーの音楽が一つになった一日。
2025年6月5日。
富士山、三保の松原、日本平。
海と松と空。
そしてドビュッシー。
111枚の写真による、私の一日の記憶である。