嫌われる朝日――傲慢な取材、捏造と誤報、謝罪なき「権威」の失墜

2024-02-29
以下は、本日発売された週刊新潮の掉尾を飾る高山正之の連載コラムからである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。

嫌われる朝日
新聞記者は横柄とか不遜とかの印象がある。 
それは望月衣塑子の会見の見過ぎで、本当の記者は寡黙で常識を弁えた人士と思っていい。 
なぜなら記者の道は「ツラ取り」から始まるからだ。 
例えば子を失った家人にその子の写真を、と頼む。
言葉遣いを間違えただけでも叩き出される。 
マナーを弁え、相手を考え、無理を通す。 
横柄では務まらない職業だが、ただ朝日新聞は違った。
電話で「朝日に載せる」と言う。
家族は喜んで写真を用意して待っている。 
世間が権威を認めていた時代が確かにあった。
マナーを学ぶ機会を失したこともあって朝日の記者は横柄に育つ。 
個人的な話だが支局時代、締め切りに問に合わせようと車を飛ばしてパトカーに捕まった。
何を言っても切符を切られた。 
しかし同じ状況で朝日の車が止められると、お巡りは車にはためく社旗を見つけ「パトカーが先導してくれた」と永栄潔『ブンヤ暮らし三十六年』にある。
この本は面白い。 
中に「北陸電力」騒動のくだりがある。 
同社が「各紙記者を(反原発かどうか)思想調査している」と朝日支局に垂れ込みがあった。
朝日の記者は尊大だから裏も取らない。
そのまま全国版一面トップで「北陸電力、記者を思想でランク付け」と報じた。 
実際は記者クラブ所属か否かの識別だった。
かなり悪意のある誤報だった。 
北陸電力側は抗議するが、書いた記者は逃げ、支局の対応は「載ったモノはしょうがないだろ」とまともに相手もしない。 
逆に北陸電力側か紛らわしい分別だったと謝罪することで始末をつけた。 
傲慢でロクに取材もしない。
嘘ばかり並べ、ばれても謝罪もしない。 
朝日を傲慢にさせた責任の半分は世間にある。 
増長した記者の一人に原賀肇がいる。 
この男は、遺伝性疾患のある子を産み続ける大西巨人に渡部昇一が一言勧告したのに目を付けた。 渡部邸にきて、断っても帰らない。
「ゴロ○キみたいと家人が呆れていた」 
その取材結果が何日後かの紙面に載った。
「会ったこともない大西氏と私(渡部)が対談していた」 
架空の対談には『劣悪遺伝の子、産むな』の見出しがついて「私はヒトラーに仕立てられていた」。 
「原賀記者は私の主張も読んでいない。都合のいいところだけ取って話をでっち上げる」
「吉田調書を適当に摘まんで東電職員700人大脱走に仕立てたのと同じ」と最後となった対談で語っていた。 
傲慢は原賀だけじゃない。
こちらが社会部デスクのとき、朝日の「これが毒ガス作戦」の嘘を暴いた。 
そしたら翌日、朝日の学芸部長、佐竹昭美が怒鳴り込んできた。
「朝日に楯突くとはいい度胸だ」「産経など潰してやる」と喚く。
品の欠片(かけら)もなかった。 
産経は屈せず、朝日の記事が取材もしない作文だったことを続報で暴いた。 
朝日はついには「訂正」を出した。 
朝日が嘘を書けば懲らしめればいい。
北陸電力のように弱腰だと、今も「志賀原発が危ない」みたいに好きに弄(いじ)られる。 
そう思っていたら、先日の朝日に田玉恵美論説委員が「取材拒否された」と憤懣遣る方ない思いのコラムを書いていた。 
朝日は渡部昇一が語ったように「まるで朝鮮人が書いている」ような反日傾向がある。 
田玉も「世界遺産目指す佐渡金山」で「強制連行された朝鮮人が使われた」という韓国側の主張に洽って新潟に取材に行った。 
県立図書館で「朝日の者だが、これこれの資料を出せ」と言った。
しかし待たされた挙句「あるかどうかも言えない」と断られた。 
どうせ朝鮮人虐待話の捏造だろうと読まれている。 
それが無礼と、紙面で脅す気なのも見え見えだ。 
権威のはずの朝日がそこまで嫌われてきた。 
何かとてもいい話を聞いた気分だ。

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