梅田、午後四時の光が永遠に触れる――115枚の写真と五嶋みどりのバッハ《シャコンヌ》
街の一瞬が、音楽によって、遠い時間へと開かれてゆく。
2026年10月12日、午後4時前後の大阪・梅田北ヤード。
この街で捉えた115枚の写真を、五嶋みどりが奏でるバッハ《シャコンヌ》とともに綴った。
午後の光の中にある街は、いまを生きている。
けれども、シャッターを切った瞬間から、その風景は二度と戻らない時間になる。
写真に残るのは街の姿であり、同時に、その日、その場所に立った者だけが出会った一瞬でもある。
五嶋みどりの《シャコンヌ》は、その一瞬に、言葉では届かない深さを与える。
今や大御所と呼ばれる演奏家たちの中にあっても、彼女は別格と言って過言ではない。
少なくとも、私にとって、その演奏は、名人の技を聴くということだけでは到底言い尽くせないものである。
一挺のヴァイオリンを聴きながら、音楽そのものの大きさに向き合っている。
その響きの中で、見慣れた街の風景さえ、初めて目にするもののように立ち現れる。
変わり続ける梅田と、時代を越えて演奏されるバッハ。
この二つが重なるところに、2026年10月12日の午後は、記録を越えた一つの表情を持ち始める。
写真は、過ぎ去るものを見つめる。
音楽は、その奥にある、過ぎ去らないものに触れる。
午後四時の梅田北ヤード、115の瞬間を、五嶋みどりの《シャコンヌ》とともに。
撮影:2026年10月12日、午後4時前後
撮影地:大阪・梅田北ヤード
写真:115枚
音楽:バッハ《シャコンヌ》
ヴァイオリン:五嶋みどり