アメリカは日本を“永遠のカモ”としか見ていない――高山正之が描く、三菱潰し・東芝潰し・日系の裏切り者たち
随分前に、世界中のプリマから大変な尊敬を受けているモナコ王立バレエ学校の老女性教授が来日した。
その時に彼女が芸術家の存在意義について語った言葉である。
『芸術家が大事な存在なのは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する事が出来る唯一の存在だからです。』
彼女の言葉に異議を唱えるものはいないだろう。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるだけではなく、戦後の世界で唯一無二の芸術家と言っても全く過言ではない。
以下は、本日発売された週刊新潮に掲載されている高山正之の連載コラムからである。
私が、今の世界で、最もノーベル文学賞に相応しいのは、高山正之を措いて他にはいない、と言及している事の正しさを、本論文も見事に証明している。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
トランプ舐めるな
トランプは酷い。
新宿歌舞伎町で青龍刀を振り回してシマを奪った支那人ヤクザに似る。
金髪のヤクザだ。
彼は今回25%関税というダンピラを振り回した。
もろ被害を蒙ったのは三菱自工だ。
今は主力のSUV「アウトランダー」を輸出していた。
四輪駆動でリッター17は㌔は走るハイブリッドシステムで、前輪と後輪の駆動はそれぞれ独立し駆動力も違う。
零戦を産んだ技術力が光る。
そんなわけで米市場では売れに売れて、この2年間で40%も伸び、20万台に迫る勢いだった。
そこにトランプが出てきて2.5%の関税を一挙に25%にした。
四半期決算で前年比98%の収益減。
米国に払う関税は140億円も増え、営業損益の赤字は30億円に上る。
売れば売るほど赤字が増える計算だ。
ならば米市場などケツをまくればと傍は思うが悔しいことに売れ行きはいい。
トヨタ、日産みたいに米国に生産拠点があれば関税はクリアできたのに。
「我が社も出るか」と思ったりするが、実は三菱自工はかつて米国に生産拠点、それも4000人が働く大工場を持っていた。
今はない。なぜないのかは語りたくもないと言う。
言えば言うだけ悔しさが募ってくるからだ。
初めて米国に出たのはレーガンのときだ。米国内企業が安い労賃の支那に製造部門を移し、産業の空洞化が起きていた。
各州は赤坂に事務所を出して日本企業に米国進出と雇用創出を乞うた。
尊大な米国人が頭を下げる景色に企業は心を動かす。
三菱白工もその一つで従業員の質の高さと税優遇を約束され、イリノイ州ノーマル市に進出した。
そこにあったクライスラーの工場を引き継ぐはずだった。
が、行ってみたら待っていたのは傲慢な米国人だった。
市は税の優遇など知らぬととぼけ、クライスラーは三菱との合弁で、販売権はオレが持つという。
三菱はそれでも誠実に対応し、日本式の温かみのある経営方式で臨んだ。
約束通り雇用を創出し、組み立てラインエでも年収5万㌦になった。
従業員募集には学卒が200人、大学教授まで応募してきた。
「彼らは退社後も三菱の作業着で街に出た。それが自慢だった」と大井上恒男会長は話していた。
やっと軌道に乗ったときクリントンの政府機関が「三菱は男性従業員に同僚の女を好きに弄べと日本流セク「ラをやらせた」と訴えを起こした。
「日本は女性蔑視の国」という偏見に立った言い掛かり訴訟だが政府機関を代表して会見したのが日系のポール・イガサキだった。
もろ日本人顔で日本をけなすから米紙記者も「日本人がそう言うなら」と不当な偏見に納得する。
実はクリントンは日系企業をカモに金儲け訴訟を企んでいた。
三菱もカモの一羽。その訴訟にイガサキがリクルートされ、議会承認を得て「日本では女に人権はない」とか嘘をまくし立てた。
祖国を売る人間の屑だった。
三菱は抵抗したが、米紙も議会も日本は大嫌いだ。
女性議員は三菱不買まで言い立て、人種偏見丸出しの訴訟を支援した。
三菱は屈して政府機関に3400万㌦、セクハラ被害にあったという女性に950万㌦を支払った。
負けると我も我もと黒人組織や身障者組織が訴訟を起こし、さらに地元自治体までもたかってきて累計5000万㌦も取られた。
クリントンはペンタックスもカモにし、東芝のパソコンも「故障しないと神に誓えるか」と訴えられてそれだけの言いがかりで10億㌦取られた。
東芝がカモと分かるとウェスティングハウスが訴訟を起こしてとうとう東芝を潰してしまった。
日本企業の惨状をみて三菱は10年前に米国での現地生産をやめた。
そしたらトランプが25%関税を言いだした。
米大統領にとって日本はどう転ぼうと常にいいカモでしかない。
石破如きが舐める相手じゃあない。