高山正之「米国や支那を喜ばす日本の特派員はおかしい」――新聞が書かない真実と「細部」に現れる本音
2023-11-13
以下は、戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである高山正之が、2013/12/10に出版した、「高山正之が米国・支那・韓国・朝日を斬る」、テーミス、1000円、からである。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
真実を明らかにして私たちに伝えている彼の舌鋒の鋭さには誰もが感嘆するはずである。
論旨の鋭さにおいて彼の最高峰であるといっても過言ではない。
見出し以外の文中強調は私。
米国や支那を喜ばす日本の特派員はおかしい
米国格付け会社のいい加減さをいまさら書き立てる大新聞の底意
S&Pに世界が騙された結果
米政府が住宅ローン担保証券、いわゆるサブプライムローン問題で格付け会社スタンダード・アンド・プアしス(S&P)に50億㌦の民事賠償請求を突きつけた、と新聞が伝えていた。
S&Pがよく調べもせずに、長い間サブプライムローンに高評価を与え続けた。
結果、ファニーメイが傾き、市民は家を失い、リーマン・ブラザースは潰れ、アイスランドまで破産した。
米政府は急ぎドルを刷り増して、苦境をなんとか乗り切った。
ついでにビッグスリーが危うくなれば、運輸長官ラフードが「トヨタは欠陥車だ」と大嘘を並べ、GMが息を吹き返せてもいる。
そんなえげつないことを米政府がやらざるを得なかったのは、もとはといえばS&Pの無責任にある。
50億㌦はそれへの仕置きになるが、でもそれがホントにこの企業の責任なら5兆㌦だってよさそうだ。
それをこんなに安くしたのは、もともとプライムローンとかの怪しげな金融商品を、米政府が規制もしなかった弱みがあるからだ。
むしろ怪しげな商品にS&Pが高い格付けをしたからこそ世界もこぞって騙され、米国だけが懐を潤せた。
ある意味でよき協力者だった。
それが躓いた。リーマンが潰れた。
だから米政府がS&Pを罰するでは、話の筋がちょっと違うような気もする。
それでも訴えたのは多分、金融不安がやっと収まったころ、S&Pがまた出てきて「不健全な財務状態を鑑み」米国債を「AAA」から「AA+」に格下げしたことが挙げられる。
日経ほかの新聞はひれ伏して
米国は他国を誹謗しても米国の悪口は絶対に認めない。
ホワイトハウスに女を連れ込んでオーラルセックスをやったクリントンも、ペナン師ラフードも高潔な人で通してきた。
どんな財政が悪かろうと、米国債の信用度は常に世界一でなければならない。
「米国は高潔で強い世界最高の国」なのだと。
それを疾(やま)しいS&Pが自分のことは棚上げして米国の財務状況を云々し、「あきまへんなあ」ときた。
自分の醜さを見せつけられた思いで米政府は訴訟に踏み切ったというわけだ。
傍からは目糞、鼻糞を訴える風にも見えるが、この争いを報じた我が日本の新聞の報道ぶりが興味深かった。
ここまでの経緯は米政府がS&Pを訴えた新聞報道のあちこちから拾った。
実に裏側をよく知っている。
そこまで知識があるなら、なぜ事前にS&Pのいい加減さを書かなかったのか。
例えば10年前、S&Pが日本の国債をただの「A」に格下げした。
その時は日経以下、S&Pの権威にひれ伏して[さあ大変だ]と大騒ぎしたものだ。
結果はどうか。
ここまで格下げになれば国債の金利は高くなるが、このときは円が売られ、いまと同じに経済が好転して国債金利は逆に下がった。
S&Pは昔から当てにならなかった。
ただ新聞がそれを書かないで来ただけの話だった。
ここまで韓国に阿る理由は!
では、今回はなぜ書いたのか。
それを理解するいい例がある。
いまから二昔前、米信託領パラオのコロール島の橋が風もないのに落ち、島民2人が死んだ。
手抜き工事が原因と分かって、米国は施工した韓国の東亜建設に補修を要請したら、断られた。
実はその直前に同社が施工した漢江にかかるソウルの聖水大橋がやはり風もないのに落ちた。
通勤バスや乗用車が転落して32人が死ぬ大惨事になった。
その渦中にあって「パラオなど相手にする暇はないスムニダ」ということだった。
よその国に行ってまでいい加減なことをするなと新聞記者だったら書くところだが、パラオでの韓国企業の非常識を指弾する声はついに書かれなかった。
聖水大橋崩落の方もおざなりで、逆に「こんな手抜き工事をやるようになったのも日帝36年の支配があったからスムニダ」という、わけの分からない韓国人の声が産経新聞に載った。
ここまで韓国に阿(おもね)る理由は三つしかない。
一つは従軍慰安婦を捏造した朝日新聞の植村隆のように韓国人を妻にしていて、気持ちはもう韓国人になっている場合。
二つ目がホントのことを書けば韓国人に酒場で殴られるから。
そして最大の理由が政府筋などに睨まれて仕事にならない、食っていけなくなる。
S&P問題も実は同じ。
そこがインチキなのは知っていても、書けば米国人関係者にいい顔をされない。
嫌われる。
書いたって日本人が喜ぶだけで、米国人の妻も大統領も喜ばないからだ。
ただ今回は米国政府がS&Pは許せないといって訴えた。
こうなればホントのことを書いても許される。
米政府公認の情報解禁というわけだ。
つまり新聞は真実を書かない。
では読んでも無駄かというと、上手の手からだって水は漏れることがある。
それが時として真実を語りかけるのだ。
新聞の本音は「細部」に現れる
例えば朝日新聞。
支那はいい国だと書き続けてきた。
反日暴動のさなかも「それでも中国に店を」「日系の再開・進出続々」と書き、アエラは「それでも中国で闘う・こんな魅力的な市場はない」と特集を組む。
支那はいいところだと。
別の新聞は、半裸の男が日本車に乗った男を半殺しにする現場の写真を出す。
男の形相は通州で日本人女性を輪姦し局所に棒を突っ込んで殺した支那人を連想させるが、朝日はそっちを見ない。
ところが3か月後に社説「中国リスク減らす一歩に」が載る。
日系企業は企業秘密も経営もみな支那人に任せればいい。
そうすれば「日本人に危害が及ぶのを避けられる」し、北京も喜ぶのだと。
支那人は通州のころと実は同じで、日本人が危ないことを正直に紙面で認めたのだ。
小説の面白さは細部にある。
新聞の語られざる本音も、実は読み飛ばしてしまいそうな細部にあるということだ。
(2013年3月号)