WHOの中国絶賛と日本の危機管理――櫻井よしこ氏が問う情報発信力と国益


2024年2月15日
WHO、中国を絶賛

2020年3月13日
以下は、昨日発売された『週刊新潮』に掲載された、櫻井よしこ氏による連載コラムの続きである(同号では高山正之氏との対談も掲載されている)。
櫻井氏は、最澄の定義で言うところの「国宝」のような存在である。

WHO、中国を絶賛
武漢ウイルスへの取り組みにようやく意欲を見せ始めたことは評価できるが、立憲民主党や田中氏らは、常に反対や批判のための批判を繰り返すのではなく、与党ともっと協力してはどうか。
3.11の惨事が発生した際、当時野党だった自民党は、民主党政権に対して全面的に協力したはずだ。
武漢ウイルスをめぐっては、目の前にあるマスクやトイレットペーパーの確保も必要かもしれない。しかし、政治家、とりわけ首相は、それと同時に、日本における危機管理という、より重要な課題にも目を向けなければならない。
中国は「黒を白と言いくるめる」ような虚偽のプロパガンダを展開し、武漢ウイルスは中国が発生源ではないと主張している。
人民網は3月8日、中国国内の新規感染者数はわずか4名であり、そのすべてが海外からの持ち込み(輸入症例)であると報じた。
彼らは、中国が「人類運命共同体」という理念に基づき、「感染の世界的拡大を防ぐために、世界保健機関(WHO)や国際社会と情報を共有してきた」と主張している。
WHOのテドロス事務局長は、「中国による大規模な感染予防・抑制の取り組みは、世界をより安全にした」と述べた。
国連のグテーレス事務総長は、「中国国民は、自分たちの通常の生活を犠牲にすることで、全人類に貢献した」と語った。
木曜日、中国政府はWHOに対して2000万ドルの寄付を行うと発表した。中国を絶賛する姿勢を示す一方で、中国は潤沢な資金力を背景に国連を自らの影響下に置き、さらには「米国がウイルスを持ち込んだ」といった情報まで拡散させている。
彼らは、ウイルスの封じ込めに成功した中国と、失敗した日本を対比させて強調している。
日本は、武漢ウイルスをはじめ、中国がもたらした甚大な災厄を最も直接的に受けている国である。だからこそ、たとえ中国を支援するにしても、日本は情報発信力を強化し、国益を守らなければならない。さもなければ、誤った宣伝に屈することになりかねないからだ。
国際社会で生き残るためには、日本を正しく理解してくれる友人が必要であり、そのためには情報発信が鍵となる。
また、緊急時に「要請」にとどまるような現在の政府の権限のあり方では、危機に対する防衛策として機能しない。
政府に強制力を持たせるための仕組みを整えるべきであり、その根拠は憲法に定める必要がある。

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