ロッキード事件再考 ― 資本主義の素顔と田中角栄へのレッテル

思う所あって、ロッキード事件を調べてみた…。
2010年10月01日

思う所あって、ロッキード事件を調べてみた…何度も指摘する様に、ネットは素晴らしいもので図書館に行かずとも瞬時に知る事が出来る…。

この事件は簡単に言えば、軍用機には強かったが、民間部門が弱かったロッキード社が社運を賭けて開発したトライスター機を各国に売り込み、採用させるために金をばら撒いた…ロールスロイス社のエンジンゆえ、英国政府も後押しした…という事件な訳である。

トライスターの販売不振
197011月に初飛行し、1972年4月に運航が開始されたL-1011 トライスターは、大手航空機製造会社のロッキード社初のジェット旅客機として同社の威信をかけて開発されたもので、中二階の客室、貨物室構造にエレベーターが設置された他、自動操縦装置については軍用機のトップクラスメーカーとしてのノウハウが生かされ、当時としては他に例がないほどの先進的な装備が施されていた。ロッキード社は、レシプロ機時代にはロッキード コンステレーションシリーズで一世を風靡したものの、ジェット化の波には乗り遅れてしまい、軍用機メーカーとしては屈指の大手になったものの民間機市場での地位は低下してしまっていた。そこで、ロッキードはこのトライスターで民間機市場での起死回生を狙っていたのである。
しかし、ジェット旅客機メーカーとしての実績が先行していたマクドネル・ダグラスのDC-10や、1970年に初就航してから既に多くの発注を受けていたボーイング747との間で激しい販売競争にさらされており、またL-1011 トライスターに搭載するロールス・ロイス社製ターボファンエンジン「RB211」の開発が難航 これによるロールス・ロイス社の破産や国有化などの混乱によって遅れをとり、日本においても既に全日空のライバルで、フラッグ・キャリアである日本航空がマクドネル・ダグラスDC-10の大量発注を決めたほか、他国においても発注が伸び悩むなど苦戦していた。このため、このような状況を解消すべくロッキード社が各国の政治家や航空関係者に様々な働きかけを行なっていた。…(ウィキペディア依り)

何の事はない、僕が既述した日経新聞の土谷氏が、持ち出した「正義」の国であるアメリカが、もう一つの顔である資本主義の権化の顔をむき出しにして、なりふり構わぬ販売攻勢を掛けた…共和党政権の後押しも受けながらでしょう…という事件な訳です。

その結果は日本では御存じの通り…イタリアでは首相が辞任…オランダでは女王の旦那も渦中の人に…つまり、世界の主要国に波紋を残した訳です。
日本では、GHQ以来の人脈で児玉誉士夫が登場したり…ロッキード副会長アーチボルド・カール・コーチャンと元東京駐在事務所代表ジョン・ウイリアム・クラッターが、日本においてロッキード社の裏の代理人的役割をしていた児玉に対し1972年10月に「(全日空へL-1011 トライスターを売り込むための)コンサルタント料」として21億円あまりを渡した…ウィキペディア依り。

以来、田中角栄は、どの様な能力を持った政治家で、どのような事を為して来たのかは、殆ど省みられず、田中角栄=金権、田中派=金権、と言うレッテルでのみ、日本のマスコミは語る様になり、私たちも、その様に思い込んでいた訳です。同時に、立花隆は英雄の様な扱いを受け、近年では、知の巨人等と言う称号まで得ていた訳ですが。

この、コーチャン氏、及びロッキード関係者がアメリカで逮捕された形跡は、調べた限りでは無い。

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