古舘伊知郎氏への公開書簡:健全な精神は健全な肉体に宿る〜カシアス・クレイから小沢一郎氏まで〜
2011/2/1
ボクシングを愛し、長年観戦してきた筆者が、伝説のボクサー、カシアス・クレイ(モハメド・アリ)の試合の思い出から、日本の言論界の現状に鋭く切り込む。特に、ニュースキャスターの古舘伊知郎氏の小沢一郎氏に関する報道姿勢を厳しく批判し、その言動に「下品」「罪びと」という言葉を投げかける。健全な肉体に宿る健全な精神、三位一体の重要性を説き、言葉を操る言論人としての責任と、テレビ報道の罪深さを問う、怒りの公開書簡。
昨夜、9時前に、これだけは毎週観ているwowwowのエキサイトマッチを忘れていた事に気づいた。
昨夜はスーパー・バンタム級かの最強決定戦マッチの第一回目だった。観たかった方の試合は終わってしまっていたが、変則スタイルの強豪ダルチニャンの試合が始まる所だった。
私は小さい時からボクシングを見続けている。「左=リードブロー或いはジャブ=は世界を制す」との定説通り、ボクシングとは単なる殴り合いではなく、言わば、スポーツに於ける、人間の肉体を極限まで鍛え、そのスピードを極めた芸術であると言っても良いのです。
私と同じように、ボクシングを見続けてきたものなら、カシアス・クレイが登場した時の驚きのことは、分かるでしょう。
彼はボクシングの究極、最高のボクサーとして、…しかもヘビー級に登場したのです。
相手のパンチを目の先三寸で交わす驚異的なテクニックを駆使して、「蝶の様に舞い、蜂の様に刺す」、と形容された、フライ級の選手もまっさ青の、信じがたいほどに軽やかなフットワークで…正にリング上でダンスを踊りながら…ヘビー級に登場したのです。
私が最初に観たのは、アーニー・テレルとの試合だったでしょうか…
僕は、これまでの無数の観戦歴の中で、あれ程、一方的な試合は観た事がない・・・
相手のパンチは本当に一発も当たらず、クレイのパンチだけがヒットする…
テレルの顔はラウンドを重ねるごとに、ほんとうに、お岩さんの様な顔になってしまった。
彼の、「蝶の様に舞い、蜂の様に刺す」、完成品の様な試合だった。
稀代のハンマー・パンチャーで、体もはるかにごつかった当時のチャンピオン、ソニー・リストンを、圧倒的に不利だった下馬評を覆して、試合開始早々の、目にもとまらぬ右ストレート一発でKO勝ちした試合は、あまりの鮮やかさに、或いは賭けに負けた悔しさに、八百長だといった声が、ほうはいと上がったほど。
晩年の最高試合である、アフリカ・キンシャサでの試合は、映画にもなっているからご存じの方も多いと思う。
この時に、観戦記を書いたノーマン・メイラーは、彼の、尋常ならざる首の柔らかさこそ、モハメド・アリ(後年、イスラム教徒になり改名した)の、天賦の才能の最たるものの一つだと書いていましたが。
問題は、冒頭のダルチニァンの試合を観た後に、ニュース・ステーションを見たことだった。
不愉快と形容しても良い…もっとも見たくない醜いもの…人間の愚かしさを見てしまったような感じをもったまま就寝。
久しぶりに、8時間弱の睡眠で目が覚めたのだが、届いていた日経朝刊一面を読んで、さらに、というか、愈々、不愉快は頂点に達した(笑)
この事について、書く前に、私ならではの、かつて誰も言及したことのない、日本の言論界の問題点の根底に、こんな点があるのではないかというこを書きましょう。
私は、そこで採れる赤貝は築地に於いて最高の評価を得て久兵衛やなかたで使われ、カレイは絶品と評されるような海辺で育った…
納豆はご存じの様に伊達正宗の軍が戦で携行した豆が腐敗したことから発したもの…
毎朝、大もりの仙台納豆に、背後の豊かな農村地帯が産み出す、それだけで食事ができるほどに美味しいササニシキ、魚介類に負けず劣らず新鮮な野菜類を食べて育ったからか。
我が家と縁があった東北大学の教授が、小学生の頃の私の泳ぎを見て、「Kisara君は、きちんと練習したら100mを50秒台で泳げるぞ。水泳をしないか」、と誘われたのですが、当人は学校から遊泳禁止区域に指定されていた太平洋に流れ込む深くて広い一級河川に係留されている立派な船の上から飛び込み好き放題に泳ぎまくった結果、全校生徒の前に立たされる様な少年時代を送った(笑)
中学生時分には、バスケット部に入って、その俊足を買われて、早速、新人大会にFWとして出され攻守が切り替わった瞬間に脱兎のごとく駈け出してランニングシュートを決めるのが役目だった。
当然ながら校内で1,2の足と運動神経を持ち、走り幅跳びで優秀な記録を出したりしていた時、陸上部の先生は、「Kisaraよ、陸上をやらないか。お前なら練習を続けたら、100mを10秒台で走れるぞ」
この時も耳を貸さず、高校入学時に何処に入ろうかと思案していた時に、ポッとラグビー部に行き、ウイングをやらせてくれないか、と…日本でも極めて優秀な進学校だったから、激しさが嫌われ部員は、常に、かつかつの部に入った。
ここらで、このような話は打ち切って結論を言います。
人間は、常に、「三位一体」、つまり、心と、体と、知性、この三つが完璧であるのが一番。
日本の言論界には、運動音痴のような人が多すぎるのではなかろうか…
文学界なら、三島由紀夫を筆頭に。
だから、皆、おかしな、頭でっかちの、結局は、中略…に向かうのではなかろうかと私は思う。
米国の言論人や経済人は、皆、スポーツにも長けた人物たちだと思う。
「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」、なのである。
古館さんよ。
私は貴方に何の悪意も持ってはいず、いな、ニュース番組が、ちゃんとした方向に行くように期待もしているのだが、昨夜のあなたは全く駄目でっせ。
小沢一郎氏の事については、何度も書いたように、…私は、ほんとうに長い間の週刊朝日購読者だから、2009年から、この件の経緯はつぶさに知っていた。
古館さんよ、貴方の番組は何千万人が観ているはずだ…
その前後の精神年齢13歳を基準とした痴呆テレビに続いて…
一方、週刊朝日は、たったの29万部…
恐ろしいのは、或いは、この20年を作ってきたのは、言うまでもなく、週刊朝日ではなく、例えば、貴方の番組であること。
貴方は昨夜、推定無罪どころか、その発端は時の権力に依る迫害であり戦前と何ら変わらない権力の暴力…
この件が冤罪である事はもはや衆知の事実で、当の検察ですらもう止めてほしい言及している…先週号の週刊朝日をご参照下さい…
にも関わらず、貴方がたが執拗に悪い奴であるかのような物言いを為すのは…
いかに貴方がたが、ロッキード事件や、平成4年8月の正義感の大合唱と同様に、この2年間、彼を悪人扱いしてきたことに対して何らのお詫びを為した訳でもなく来ている訳だから、その延長で行くしかないという、さらなる悪を重ねようとしているのだとしても。
あの、しっかちゃめっちゃかだったことが露呈する前の特捜部が…これより恐ろしい罪作り上げ集団はなかった訳です…何度も強制捜査をした挙句、起訴できなかった案件です。
推定無罪どころの話ではないでしょう。
そのような事件に対して、貴方は、4億円が云々と言って、そこに問題があるかのように…
心ある国民は誰でも…貴方たちのテレビばかりを見てはいない、自分の頭で考え、様々な本も読み世界も知っている人たちだ…
「一体、これは何なんだ」、と見抜いた検察審議会の肩を持つようなことを言ったわけです。
先ず、古館さんよ、貴方の年収は億単位ではないのかと私は推測している、…そんなことに何の興味もないが。
そんな貴方が、世田谷で200坪だったかの土地を探していたとしましょう。…
出物がでた、急いで契約しなければなくなってしまう。銀行に申し込んでからでは間に合わない…
億円超の不動産取引では融資利用の特例付きでは、売り主は売ってくれないもの…余程、世間が景気のどん底以外は…そんな時でも融資利用特例付きでは人気物件は買えないでしょう。
貴方の地位で、貴方の人脈ならば、後で銀行融資を受けられるのも100%間違いなしですから、いかようにも、その必要資金4億円は段どりできるでしょう。
ましてや小沢一郎は選挙には絶対的に強く落選は考えられない大物政治家です。
芸能界における貴方の地位よりも銀行評価は堅いと私は思う。
世田谷の200坪の土地が最低でも4億円するのは世間の常識。
貴方の年収が億円単位であろうことも世間の常識。
もはや推定無罪以上の人間に対して、何か有るかのごとくに、数千万人の、自ら何かを読んだりして真実の情報を得ようと考える事がないのが特徴の、じゅんさい過ぎる人たちの前で、いやしくもニュース・キャスターを名乗る貴方が、犯罪性があるかの如く匂わすような物の言い方をしたのは、「下品」、の極みですぞ。
というよりも、昨夜の貴方は罪びとです。
あなたこそ犯罪人ですよ。
心の領域、真実の領域では。